うちの子はADHDです。
ADHD傾向です。
グレーゾーンです。
- 算数のかけ算ができない…。
- 何度やっても「九九」が覚えられない…。
- ほかの子はみんなできているのに…。
今回はこのような悩みを解決します。
子どもが何回もかけ算「九九」の練習をしているのに覚えられなくて、
「どうしたらいいの…。」
と困ったり悩んだりすることってありますよね。
そこで今回は、ADHDの子どもが算数のかけ算「九九」を覚えられるようになるために実践すべき5つの方法について紹介します。
さっそく知りたい方はこちら。
今回の記事を読むことで、
- ADHDの子どもが算数のかけ算「九九」を覚えられるようなる
さらに、ほかの子と同じように「九九」を覚えて言ったり、算数(かけ算)の宿題をスラスラと解いたりする子どもの姿を見ることで今までの悩みがパッとなくなります。
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本記事の執筆者情報
私は子どもにかかわる仕事を10年以上経験してきました。
- 元小学校教師(通常学級担任、特別支援学級担任をそれぞれ2年以上経験)
- 元障害児通所支援事業所勤務(放課後等デイサービスで、未就学児から小学生までの発達障害の子どもの支援業務を2年以上経験)
- 心理大学卒業のメンタルケア心理士(心理士資格取得のためにADHDの診断基準であるDSM-5を精神医科学基礎で学習。試験では満点。)
この経験を通して、たくさんの子どもを見てきました。
かけ算の「九九」が苦手な子
「九九を覚えた」と思ったら、すぐに忘れてしまう子
宿題でかけ算があるとイヤがってあばれる子
そして、そのような子どものお母さんから、
「子どもが算数のかけ算の九九が覚えられなくて困っています。どうしたらいいですか?」
と相談を受けて、その子の個性や特徴を考えながらアドバイスをしてきました。
今回の支援方法は、算数のかけ算「九九」が覚えられないADHDの子どもにはどうやって支援したらいいのか考えて、なやむお母さんにアドバイスして、すぐにつかえて効果のあった方法を紹介しています。
インスタグラムでは「かけ算が覚えられるようになる」リール動画を多数投稿しています。今回紹介する方法と合わせて実践することをおすすめします。
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目次
ADHDの子どもが算数のかけ算「九九」が苦手な理由
ADHDの子どもが算数のかけ算「九九」が苦手な理由がこちらです。
理由
同じことをくり返すからイヤになる
ADHDの子どもは「同じことをくり返す」という作業をイヤがります。(好きなこと以外)
そして、
- イヤなこと
- キライなこと
- 苦手なこと
- 興味がないこと
- やりたくないこと
などをくり返すと、どんどんイヤになって集中力が切れたりやらなくなったりしてしまうことがよくあります。
「うちの子といっしょだわ。」
算数のかけ算「九九」の勉強は、
1の段
step.1
「1の段」のかけ算の概念についてならう
step.2
式をならう
step.3
唱える
step.4
覚える
2の段
step.1
「2の段」のかけ算の概念についてならう
step.2
式をならう
step.3
唱える
step.4
覚える
3の段
「3の段」のかけ算の概念についてならう…。このくり返しです。
ADHDの子どもにとっては同じことのくり返しなのでどんどんイヤになっていきます。そして、
「楽しくないなぁ…。」
と思ったところで、むずかしい「6の段」がやってきます。
「・・・」
ここで、かけ算九九の勉強をとってもイヤになります。さらに、「九九」を覚えるためには何度も唱えたり書いたりすることをくり返しながら覚えていかなければならず、ADHDの子どもにとってはずっとイヤなことを何度もくり返すことになるので、集中力もすぐに切れて覚えられなくなってしまいます。
これがADHDの子どもが算数のかけ算「九九」が苦手な理由です。つぎの項目では、そんなADHDの子どもがかけ算九九を覚えられるようになる方法について紹介します。
かけ算の九九をADHDの子どもが覚えられるようになる5つの方法
かけ算の九九をADHDの子どもが覚えられるようになる5つの方法がこちらです。
1つずつ説明します。
「1の段」から「9の段」まで一緒にやる
ADHDの子どもが「かけ算の九九」を覚えられるようになるためには、子どもに1人で勉強させるのではなく「1の段」から「9の段」まで一緒に勉強することがたいせつです。
ADHDの子どもに算数のかけ算をおしえるときは、
算数の概念
- かける数
- かけられる数
- 1あたりの数
などの「かけ算の概念」については学校の先生に任せて、自宅では算数の概念について教えないようにしましょう。
かけ算の概念からおしえると、子どもがかけ算に対して苦手意識をもってますます勉強をイヤがる可能性があります。自宅であなたが子どもにするべきサポートは、子どもと一緒に「九九表」を見て「九九(「1の段」~「9の段」)」を何度も声に出して言いながら、
「ママといっしょに勉強できてうれしい♪」
「がんばってかけ算ができるようになるぞ!」
と子どもが思えて、かけ算「九九」をがんばって覚えようとするきっかけを作ることがたいせつです。
ここで先生あるあるを1つ。
先生あるある
かけ算の概念「~が、いくつ分」「~が、○こ分」などを教えるよりも、「ニイチが2」「ニニンが4」など、音やリズムで教える方が手応えを感じてしまう。
何度も唱えさせる
ADHDの子どもが「かけ算の九九」を覚えられるようになるためには、子どもに何度も声に出して九九を唱えさせることがたいせつです。
ADHDの子どもが「九九」を覚えられるようになるためには、目で見て考えさせるのではなく、音やリズムで覚えさせるようにしましょう。
フラッシュカードを使うように、パッパッパッとリズムに合わせて声に出しながら九九を覚えさせるようにしましょう。ちなみに、学校で子どもがもらってくる「かけ算(九九)カード」は、ADHDの子どもにはちょっと小さいです。
手先が器用ではない子には、九九カードをめくるだけでもストレスがかかってしまいます。そして、リズムにのって九九の勉強ができなくなるので注意しましょう。
- 大きな紙に書いて指で1つずつ追いながら言う
- ホワイトボードに書いて唱えた問題から消していく
など、子どもに合ったリズムに乗りやすい方法でかけ算を教えてあげましょう。
覚えているかを確認する
ADHDの子どもが「かけ算の九九」を覚えられるようになるためには、子どもが九九を覚えているかを確認することがたいせつです。
ADHDの子どもがある程度、「九九」を覚えたら、ちゃんと覚えることができているかを、1日「1個~3個」確認してみましょう。そして、九九を覚えているか確認するときは、
「○○ちゃん、2の段を言ってみて。」
「うん♪」
↓
上手に言える。
↓
「ちゃんと、覚えていてすごい♪次は『3の段』言えるかな?」
「うん♪」
と、子どもがやる気になっているなら確認してもいいですが、
「え~。」
「まだするの?」
などと、やる気がなくてイヤな気持ちを出しているようだったら確認することはやめましょう。
まだ子どもが、「九九」を唱えることに自信がない証拠です。子どものやる気に合わせてタイミングを見ながら確認していくことがたいせつです。
参考
ADHDの子どもがイヤがらずにかけ算「九九」を唱えて覚えられるようにするためには、子どもが「毎日している行動」といっしょに九九を唱えることで、子どもはイヤがらずに九九を覚えることができるようになります。
たとえば、
- 朝ご飯の前に「2の段」を言う
- 学校へ行く前に「5の段」を言う
- お風呂へ入る前に「7の段」を言う
など、いつもしている行動にくっつけて九九を練習すれば、子どもはより早く覚えられるようになって、そして、あなたも子どもがちゃんと覚えることができているかどうかを確認することができるようになります。
合格シール付きのテストをする
ADHDの子どもが「かけ算の九九」を覚えられるようになるためには、合格シール付きのテストをすることがたいせつです。
子どもがスムーズに「九九」を言えるようになって、そして、
「子どもが「九九」をマスターしてきたかも♪」
と、あなたも思えるようになったら合格シール付きのテストを子どもにしてみましょう。
「合格シール?」
九九の確認テストをシール付きにすることで、子どもは楽しみながら、そして、合格シールを見ることで、
「シールほしい♪」
「合格したい!」
「□の段をがんばっておぼえるぞ!」
と思えるようになるので、ドンドンやる気になって頑張ってくれるようになります。
ポイント
合格シール付きテストは「九九が言えたら合格」
子どもが「九九」をスラスラと言えなくても、言えていたら合格としてシールをあげましょう。つまりながらでもがんばって言えたことをほめて、そして、合格シールをあげることでADHDの子どもは達成感を感じて、
「算数が好きになってきた♪」
「かけ算ってかんたんかも♪」
と思えるようになります。
補足
合格シールを貼る紙は子どもの好きなキャラクターを印刷するだけでも子どもは喜んでさらにがんばるようになるのでおすすめです。または、子どもが自分でシールを貼る場所を決めるだけでもやる気につながります。できるだけ子どもが自分で「合格シールを集めたい♪」と思えるような工夫をしてあげましょう。
箱を3つ用意してマスターさせる
ADHDの子どもが「かけ算の九九」を覚えられるようになるためには、箱を3つ用意して九九をマスターできるようにすることがたいせつです。
スラスラと「九九」が言えなくても合格シールをぜんぶ集めることができたら、いよいよ最後の方法です。ADHDの子どもが「かけ算の九九」をマスターできるように3つの箱を用意しましょう。そして、ぜんぶ合格したらご褒美をあげることを子どもに約束しましょう。
「3つの箱?」
箱には「毎日」「月・水・金」「日曜」と記入します。
この箱の約束は「箱に書かれた曜日」はテストをすることです。
3つの箱の約束
「毎日」入っているカードは毎日テストをする
「月・水・金」入っているカードは月曜日、水曜日、金曜日にテストをする
「日曜日」入っているカードは日曜日だけテストする
step.1
「毎日」という箱に、すべての九九カード(1の段~9の段)を入れる
step.2
子どもにテストをする
step.3
合格した「段」は次の「月・水・金」の箱に入れる
step.4
指定の曜日(月・水・金)になったらテストをする
step.5
合格すれば次は「日曜」の箱に入れる
step.6
間違えたり忘れたりしていたら「毎日」の箱にもどす
これをくり返して、すべてのかけ算「九九」カードが「日曜日」に入り、そして、日曜日に最終テストをして合格できれば、子どもはかけ算「九九」をマスターした証拠になります。
最終テストにすべて合格したら、子どもと約束したご褒美をあげましょう。
注意
基本的にADHDの子どもをご褒美目的で努力させることはオススメできません。しかし、かけ算「九九」の場合は、1度、かんぺきに覚えれば忘れることはほとんどありません。
そして、かけ算は子どもが今後、算数の勉強をするときにずっと必要になります。九九を覚えていなければ、算数の勉強をキライになる可能性がグッと高くなります。
- 1度覚えたら忘れない
- 今後の人生に必要
このような内容に関しては、子どもがやる気になれるなら褒めるだけではなく、ご褒美をあげることを考えることもADHDの子どもにとってはたいせつな学習支援の工夫です。
参考
こちらの記事では、ADHDの子どもが算数の文章問題が解けるようになる方法を紹介しています。かけ算も文章問題があるので、合わせて読むことをおすすめします。
ADHDの子どもがどうしても算数のかけ算「九九」を覚えられないときにすべき2つの対策
上記の方法を実践しても、ADHDの子どもが算数のかけ算「九九」を覚えられないときの対策を紹介します。上記の「5つの方法」は子どもをやる気にさせるために、いつもいっしょに勉強ができる時間を確保しなければいけません。しかし、仕事や家事、育児に追われて、子どもにいつも学習支援をする時間を用意することがむずかしい方もいます。そんなあなたへの対策を2つ紹介します。
2つの対策
- 学習環境を見直す
- 学習系の習い事を利用する
学習環境を見直す
ADHDの子どもが算数のかけ算「九九」が覚えられるようにするためには、子どもに声かけをしなくても勉強を始められるような学習環境を用意することがたいせつです。
勉強(かけ算)に対して苦手意識をもっているADHDの子どもの場合は、
「はやく勉強しなさいよ。」
「やらないと九九は覚えられないわよ。」
などと声かけをされるだけでも拒否反応を起こして、勉強をしようとしなかったり勉強を始めてもダラダラしたりするようになります。そのため、何も言わなくても子どもが、
- 勉強をはじめる
- 集中して勉強する
学習環境を用意することがたいせつです。
「なるほど。けど、どうやってそんな環境をつくればいいの?」
ADHDの子どもが勉強できる環境をつくるためには、
5つの方法
- 学習スイッチをおす
- 視覚支援をする
- 聴覚支援をする
- 時間の管理をする
- 【重要】集中できるようにする
この5つの方法を実践することで、ADHDの子どもが集中して自分から勉強をはじめることができる学習環境を用意できるので、算数のかけ算九九が覚えられるようになるきっかけになります。もっと詳しく5つの方法について知りたい方はこちらの記事を見てください。
学習系の習い事を利用する(簡単)
なんとか子どもに「かけ算の九九」はできるようになって欲しいと思うけど、
- 仕事がいそがしい!
- 家事や育児に追われて余裕がない!
- 子どもにうまく勉強を教えられない!
と悩んでいるあなたは、これ以上あなたがムリをして苦労しないようにするためにも、「学習系の習い事」を利用して子どもが算数のかけ算ができるように対策しましょう。
ADHDの子どもは苦手意識をもった学習に対しては、どうしても、
集中できない
勉強をしようとしない
ダラダラと勉強をする
などの行動をとってしまいます。そして、かけ算はこれからもずっと学習していく内容です。
たとえば、
- 文章問題のかけ算
- 2桁のかけ算
- かけ算の筆算
- 小数のかけ算
- 分数のかけ算
- etc.
このまま子どもが九九を覚えられない状態にしてしまうと、今後の算数の勉強がわからなくなって、今以上に、
- 子どもは算数ができなくなる
- あなたは子どもに算数の勉強をさせることに苦労する
ことになります。そうならないためにも、今すぐ対策をして悩みを解決しましょう。しかし、「学習系の習い事」を利用する場合は費用がかかります。そのため、
- まいにち子どもに勉強を教えられない!
- 子どもに勉強を教えることにストレスを感じる!
- これ以上、子どもの勉強に悩みたくない!
という方だけが「学習系の習い事」を利用して今の悩みをサクッと解決してください。
参考
ADHDの子どもにおすすめの「学習系の習い事」について知りたい方はこちらの記事をみてください。
子どもに合っていますか?
子どもは放課後等デイサービスを利用していますか?利用しているならば、子どもがかけ算をできるように学習支援をしっかりとしてもらうように相談することもおすすめします。しかし、今、子どもが利用している放課後等デイサービスは子どもに合っていますか?ADHDの子どもに合った放課後等デイサービスには選び方があります。選び方が気になった方はこちらの記事を見てください。
まとめ:5つの方法を実践することで、ADHDの子どもが算数のかけ算九九をマスターできるようになる
ADHDの子どもが算数のかけ算「九九」を覚えられるようになるためには、まず、ADHDの子どもが算数のかけ算「九九」が苦手な理由について知ることがたいせつです。
理由がこちらです。
同じことをくり返すからイヤになる
そんなADHDの子どもが「かけ算九九」を覚えられるようになるための方法がこちらです。
この5つの方法を意識して実践することで、ADHDの子どもが算数のかけ算「九九」を覚えられるようなります。
さらに、ほかの子と同じように「九九」を覚えて言ったり、算数(かけ算)の宿題をスラスラと解いたりする子どもの姿を見ることで、今まで困っていた悩みがパッとなくなり、日々のストレスがスーッと軽くなります。
そのためにも、できるだけ、そっと、気づかれないように、子どもが気持ちよく次の行動に動けるように、サポートしましょう。いつもなやんで、いつも頑張っているあなたの少しでも役に立つ情報になったのなら嬉しいです。ありがとうございました。
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