うちの子はADHDです。
ADHD傾向です。
グレーゾーンです。
- 集団行動が苦手…。
- 友達とすぐトラブルになってこまる…。
- 友達とトラブルにならないのは集団行動に参加しないとき…。何とかしたいけど方法がわからない…。
今回はこのような悩みを解決します。
子どもが集団で行動するときに、みんなと仲良くしたり同じように動けなかったりして、
「どうしたらいいの…。」
と困ったり悩んだりすることってありますよね。
そこで今回は、集団行動が苦手なADHDの子どもにするべき7つの支援方法について紹介します。
さっそく知りたい方はこちら。
今回の記事を読むことで、
- ADHDの子どもが集団行動をスムーズにできるようになる
さらに、集団の中でトラブルにならずにまわりに合わせて動いたり友達となかよく行動したりする子どもの姿を見ることで今までの悩みがパッとなくなります。
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【悩み解決】ADHDの子どもの「育て方の悩み」をまとめて解決したい方はこちら。
本記事の執筆者情報
私は子どもにかかわる仕事を10年以上経験してきました。
- 元小学校教師(通常学級担任、特別支援学級担任をそれぞれ2年以上経験)
- 元障害児通所支援事業所勤務(放課後等デイサービスで、未就学児から小学生までの発達障害の子どもの支援業務を2年以上経験)
- 心理大学卒業のメンタルケア心理士(心理士資格取得のためにADHDの診断基準であるDSM-5を精神医科学基礎で学習。試験では満点。)
この経験を通して、たくさんの子どもを見てきました。
集団の中に入るとトラブルになる子
集団の中に入ってもすぐにちがう所へ行ってしまう子
集団行動になるとイヤがってあばれる子
そして、そのような子どものお母さんから、
「子どもがいつも友達とトラブルになって集団行動ができません。みんなと同じように行動できなくて困っています。どうしたらいいですか?」
と相談を受けて、その子の個性や特徴を考えながらアドバイスをしてきました。
今回の支援方法は、集団行動が苦手なADHDの子どもにはどうやって支援したらいいのか考えて、なやむお母さんにアドバイスして、すぐにつかえて効果のあった方法を紹介しています。
知らないと今より苦労します!
大丈夫ですか?
子どもは授業でみんなについていけていますか?ちょっとでも心配なら後悔する前にこちらの記事を見たほうがいいかと思います。
目次
ADHDの子どもの集団行動が苦手な理由
ADHDの子どもの集団行動が苦手な理由がこちらです。
理由
- 相手の気持ちが理解することが苦手
- 我慢できない
ADHDの子どもは相手の気持ちを考えて行動したり理解したりすることが苦手です。そのため、集団で行動をするときに「みんなと協力して何かをする」ということが上手にできません。さらに、自分の気持ちを我慢することも苦手です。
「なんとなくわかるわ。」
集団行動は「相手に合わせる場面」がたくさんあるので、自分の好きなように行動できないことがよくあります。自分の気持ちに素直になって好きなように動きたいADHDの子どもにとって、
「どうして!?」
「何で!?」
「イヤだよ!」
とイライラしたり我慢できなくなったりしてしまう場面が集団行動ではふえます。さらに、ADHDの子どもが集団の中で自由に行動していると、
「○○ちゃんダメだよ。」
「今はコレをするんだよ。」
「ちゃんとしてよ!」
などと、まわりから注意されることもふえます。この注意を、ADHDの子どもが「自分のために言ってくれている」ということがわからない場合は、
「怒られた…。」
「何で?」
などと、マイナス(否定的)に受け止めてしまい、
「うるさい!」
「どうしてダメなの!?」
などと相手に悪口を言ったり暴力をふるったり、または感情を抑えられずに、
「もうイヤ!」
と集団の中から逃げ出したりしてしまいます。
これがADHDの子どもの集団行動が苦手な理由です。つぎの項目では、そんな集団行動が苦手なADHDの子どもに実践すべき支援方法について紹介します。
集団行動が苦手なADHDの子どもにするべき7つの支援
集団行動が苦手なADHDの子どもにするべき7つの支援方法がこちらです。
7つの支援
集団で行動する意味を理解させる
ADHDの子どもが「集団行動」をできるようになるためには、集団で行動する意味を理解させることがたいせつです。
ADHDの子どもには「集団で行動する意味」を教えてあげなければ、自分の気持ちを優先にして自分勝手に行動してしまうことがよくあるので、まわりに合わせた行動をとることができずに友達とトラブルになってしまうことがよくあります。
「はい…。」
そして、そのような行動をまわりから注意されると、ADHDの子どもは注意された理由がわからないので、ケンカになったり大きな声を出して場を乱したりしてしまいます。
そのようなことを防ぐためにも、ADHDの子どもに集団行動をさせるときは、
「みんなで協力すると早く終わるから頑張ろうね。」
「みんなで○○すると楽しいから仲良く遊ぼうね。」
などと「集団行動」をする意味を子どもにしっかりと理解させるようにしましょう。
参考
ADHDの子どもは集団で行動する意味をしっかりと理解できずに、まわりから注意されることをイヤがって集団から離れることがあります。そのようなときのADHDの子どもは拗ねてしまって集団の中に戻れなくなることがよくあります。
「はい…。」
ADHDの子どもが拗ねてしまったときの対応方法について紹介した記事がこちらです。気になる方は見てください。
学校生活で困らないようにする
ADHDの子どもが「集団行動」をできるようになるためには、子どもが学校生活で困らないようにすることがたいせつです。
学校ではみんなに合わせて行動する時間がたくさんあります。また、時間を自分で気にしたりチャイムの音を聞いたりしてまわりと同じように行動しなければいけません。さらに、学校行事などは当日だけではなく行事までの練習時間も集団で行動する時間がたくさんあります。そのため、子どもが学校で困らずにみんなと同じように生活ができているならば集団行動もできている証拠でもあります。
子どもが集団行動をスムーズにできるようになるためにも、学校生活で子どもが困っていないかを考えて、ちょっとでも子どもが学校生活にストレスを溜めないようにサポートしてあげましょう。
ポイント
学校生活のほとんどが授業です。授業中に子どもがストレスなく生活することができれば、集団で行動しなければいけないときにもストレスを溜めすぎることなく行動できるようになります。反対に、授業中に子どもがストレスを溜めていると、集団で行動するときにちょっとしたことをきっかけに子どもの気持ちが不安定になって怒り出したり集団で行動しなかったりする場面がふえるようになってしまうので気をつけましょう。
大丈夫ですか?
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どのような行動をしてほしいか伝える
ADHDの子どもが「集団行動」をできるようになるためには、集団の中でどのような行動を子どもにしてほしいかを伝えることがたいせつです。
集団行動が苦手なADHDの子どもにみんなと同じように行動させたいときは、子どもに「してほしい行動」があるときです。その「してほしい行動(行動して欲しい)理由」を子どもにしっかりと伝えて理解させるようにしましょう。
たとえば
みんなで協力して1つのことをする場合
「△△するには○○ちゃんの力が必要だよ。○○ちゃんがいるとみんな頑張れるからお願いね。」
このように子どもに伝えれば、
「ぼくの力が必要なんだ!みんなに協力するぞ!」
と、ADHDの子どもは集団行動の中で「してほしい行動」を理解してスムーズに行動できるようになります。
ルールのある遊びをする場合
「みんなで仲良く遊ぶにはルールが大事だよ。○○ちゃんルールを説明してくれる?」
このように子どもに伝えれば、
「みんなが仲良く遊べるように私がルールをしっかり伝えなきゃ♪」
と、集団の中での「自分の役割」を理解できるようになるので、ADHDの子どもが友達とトラブルになることなく集団の中でも行動できるようになります。
「なるほど!」
これも大事
ほかにも、みんなといっしょに集団で移動する場合は、子どもが危険な行動をしたときには注意しなければいけません。しかし、集団行動が苦手なADHDの子どもの場合は目を離すとすぐに勝手な行動をして、危険な行動をとってしまいがちです。
「はい…。」
しかし、そこで、
「あぶない!」
「ダメでしょ!」
などと急に大きな声で注意をすると、ADHDの子どもは、
「何で!?」
「どうして怒るの!?」
と注意されたことに対して怒りだして、もっと危ない状況になってしまう可能性があります。そうならないためにも、
「○○ちゃん、みんなが危なくならないように見てね。」
「○○ちゃんが危ないときはすぐに注意するよ。」
など、ADHDの子どもに「してほしい行動」や「危険があったら注意する」ことを事前にしっかりと伝えるようにしましょう。
参考
ADHDの子どもに事前に伝えるときは伝え方を工夫しなければいけません。こちらの記事ではADHDの子どもに事前告知をする方法について詳しく紹介しています。気になる方は見てください。
ダメな行動について教える
ADHDの子どもが「集団行動」をできるようになるためには、子どもにダメな行動についてはしっかりと教えることがたいせつです。そして、「ダメな行動に対しては注意する」ことを子どもにしっかりと伝えましょう。
たとえば
- 危険な行動
- 好き勝手な行動
- 何も言わずに別のところへ行く
- ルールを知っているのに違うことをして迷惑をかける
このような場合は、「ダメな行動として注意する」ことを子どもに伝えましょう。そして、わざとふざけたり迷惑をかけたりしたら「とても怒る」ことも伝えましょう。
重要
注意するときは「子どもの行動」を注意する
子どもの「存在を否定」するような言い方はしないようにしましょう。
「?」
たとえば、
行動を注意する
「~したら危ないからダメだよね。」
存在を否定する
「~したらダメでしょ!だから○○ちゃんはダメなのよ!」
このように、ADHDの子どもを注意するときは言い方に気をつけるようにしましょう。
コミュニケーション能力を育てる
ADHDの子どもが「集団行動」をできるようになるためには、子どものコミュニケーション能力を育てることがたいせつです。
ADHDの子どもは、
自分勝手に行動する
興味関心を優先にする
相手の気持ちを理解することが苦手
です。そのため、はじめは仲良くしたりみんなと行動したりすることができても、ちょっとしたトラブルで友達と仲良くできなくなって、気づけば1人で行動することがふえて、集団行動ができなくなくなるだけではなく、コミュニケーション能力を養う経験も減ってしまうことになってしまいます。
子どもはコミュニケーション能力を身につけることで、友達とうまく話したり接したりいっしょに行動したりすることができるようになります。そのため、ADHDの子どもが集団での行動がスムーズにできるようになるためには、子どもにコミュニケーション能力を育てることも意識するようにしましょう。
参考
ADHDの子どものコミュニケーション能力を育てるための方法がこちらです。
5つの方法
- 「経験」と「体験」の場を用意する
- はじめてのことは「見せる」
- 子どものやりたいように「やらせる」
- チャレンジしたことを「ほめる」
- コミュニケーション能力を上げる「環境」を用意する
この5つの方法を実践することでADHDの子どものコミュニケーション能力が身について、集団でもトラブルなく行動することができるようになります。もっと詳しく5つの方法について知りたい方はこちらの記事を見てください。
我慢できる場面をふやす
ADHDの子どもが「集団行動」をできるようになるためには、子どもの我慢ができる場面をふやすことがたいせつです。
ADHDの子どもは衝動的に怒ってしまうことがよくあります。集団行動の中でも、
納得いかない
やりたいことができない
我慢しなければいけない
という状況が増えればふえるほど子どもは衝動的に怒りだしてトラブルに発展してしまいます。
「わかるわ…。」
そのようなことがないようにするためにも、子どもがちょっとでも今以上に我慢ができるようにサポートしてあげましょう。
参考
ADHDの子どもが我慢をできるようになるための方法がこちらです。
5つの支援
- 否定しないようにする
- 子どもの考えていることを理解する
- 我慢ができるように少しずつ教える
- 気持ちを伝えられるようにする
- クールダウンできるようにする
もっと詳しく知りたい方はこちらの記事を見てください。
【重要】集団活動への参加をふやす
ADHDの子どもが「集団行動」をできるようになるためには、集団活動への参加をふやすことがたいせつです。
集団行動ではADHDの子どもが苦手とする行動がたくさんあります。
ADHDの子どもは、
- まわりに合わせる
- 自分の気持ちを我慢する
- やりたくないことをする
ことが苦手です。そのため、ちょっとしたことでイヤな気持ちになって集団から逃げたりトラブルを起こしたりしてしまいます。
「わかるわ…。」
しかし、ADHDの子どもでも「慣れた環境」や「知っていること」などには、比較的自分の気持ちを我慢して行動することができます。
たとえば、
- いつも遊んでいる公園でみんなと遊ぶ
- すきなスポーツをみんなでする
- 何度もやったことがある集団活動
などは、ADHDの子どもでも慣れていることなので、初めてするような集団行動とはちがってトラブルも少なくなります。そして、そのような場面を増やすことで、子どもはみんなに合わせた行動がとれるようになって、自然と集団行動への苦手意識もなくなっていきます。
「なるほど。」
そのためにも、
- いつも遊んでいる公園
- すきなスポーツ
- 地域の集まり
- 親戚との集まり
- ちょっとしたイベントや祭り
など、ADHDの子どもには集団活動への参加をふやすようにして、たくさんの体験や経験をさせながら、集団での行動に慣れさせていくようにしましょう。
こんな方法もあります
忙しくて時間がない!子どもを集団活動に参加させることができない!
と悩むあなたは「習い事」を利用することでかんたんに解決できます。集団行動のある「習い事」を利用することで、ADHDの子どもは好きなことをしながら、そして、得意になりながら集団行動を学ぶことができるようになります。さらに、子どもが習い事を利用することであなたはゆっくりと仕事をしたり家事をしたり、久々の自由時間を楽しんだりすることができるようになります。
参考
ADHDの子どもにオススメの習い事について知りたい方はこちらの記事を見てください。かんたんに「子どもに合った習い事」を見つけることができるようになります。
-
ADHDの子どもにおすすめの習い事「15選」。学習系・運動系・文化系ぜんぶあり!
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どうしてもADHDの子どもが集団行動をイヤがるなら支援学級を考える
上記の支援方法を実践してもADHDの子どもが集団での行動が苦手で、
- すぐにトラブルになる
- 集団行動に参加しない
などで困ってしまう場合は、子どもを支援学級に入級させることを考えることも選択肢の1つです。
支援学級に入級することで、子どもが集団の中で行動できるようになる可能性があります。なぜなら、私は「通常学級」「特別支援学級」それぞれの担任をしていたときに、集団行動が苦手ですぐにトラブルになっていたADHDの子どもが支援学級に入級することで、子どもに合った説明の仕方や見通しの持たせ方をいつもしてもらうことでスムーズに集団行動ができるようになりました。さらに、集団行動をするときは担任といっしょに行動できることで集団の中でも落ちついて行動できるようになった子どもの姿を見てきたからです。
そのため、上記の「集団行動が苦手なADHDの子どもにするべき7つの支援方法」を実践しても、子どもが「集団行動」が苦手な場合は、1度、支援学級への入級を考えることも悩みを解決するきっかけになります。
注意
「それなら支援学級に入級させなきゃ!」
と決めつけて行動するのではなく、まずは、本当に子どもにとって支援学級が合っているのかを確認するようにしましょう。
こちらの記事では、学年別で集団行動が苦手なADHDの子どもに「支援学級への入級について考えるタイミング」について紹介しています。まずはこちらの記事を見て支援学級に入級させるかどうかを考えてください。
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まとめ:7つの方法を実践することで、ADHDの子どもが集団で行動してもトラブルがなくなる
ADHDの子どもが集団行動をイヤがらずにできるようになるためには、まず、ADHDの子どもの集団行動が苦手な理由について知ることがたいせつです。
理由がこちらです。
- 相手の気持ちが理解することが苦手
- 我慢できない
そんなADHDの子どもが集団の中でスムーズに行動できるようになる支援方法がこちらです。
7つの支援
この7つの方法を意識して実践することで、ADHDの子どもが集団行動をスムーズにできるようになります。
さらに、集団の中でトラブルにならずにまわりに合わせて動いたり友達となかよく行動したりする子どもの姿を見ることで、今まで困っていた悩みがパッとなくなり、日々のストレスがスーッと軽くなります。
そのためにも、できるだけ、そっと、気づかれないように、子どもが気持ちよく次の行動に動けるように、サポートしましょう。いつもなやんで、いつも頑張っているあなたの少しでも役に立つ情報になったのなら嬉しいです。ありがとうございました。
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