うちの子はADHDです。
ADHD傾向です。
グレーゾーンです。
- まわりを見ずに急に走り出すことがよくある…。
- ケガをしたり事故にあったりしないかいつもドキドキする…。
- 何度も注意するけれど、気になることを見つけるとそっちに向かってすぐ走りだしてしまう…。
今回はこのような悩みを解決します。
子どもといっしょに歩いていると、とつぜん何かを見つけて走りだしたり、危ない所でもまわりを確認せずに急にダーッと走りだしたりしてドキドキすることがあって、
「どうしたらいいの…。」
と困ることってありますよね。
そこで今回は、急に走りだすADHDの子どもに効果的な7つの対策について紹介します。
さっそく知りたい方はこちら。
今回の記事を読むことで、
- 急に走りだすADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールできるようになる
さらに、いつもなら急に走りだしてドキッとするような場面でも、落ち着いて行動したりみんなに合わせて行動したりする子どもの姿を見ることで、今までのあなたの悩みやストレスがパッとなくなります。
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【悩み解決】ADHDの子どもの「育て方の悩み」をまとめて解決したい方はこちら。
本記事の執筆者情報
私は子どもにかかわる仕事を10年以上経験してきました。
- 元小学校教師(通常学級担任、特別支援学級担任をそれぞれ2年以上経験)
- 元障害児通所支援事業所勤務(放課後等デイサービスで、未就学児から小学生までの発達障害の子どもの支援業務を2年以上経験)
- 心理大学卒業のメンタルケア心理士(心理士資格取得のためにADHDの診断基準であるDSM-5を精神医科学基礎で学習。試験では満点。)
この経験を通して、たくさんの子どもを見てきました。
自分勝手に好きな所へすぐに行こうとする子
何回も注意されているのに、すぐに走りだしてしまう子
まわりを確認せずに興味があるものを見つけると走りだす子
そして、そのような子どものお母さんから、
「子どもが急に走りだしてこまります。注意することにも疲れます。どうしたらいいですか?」
と相談を受けて、その子の個性や特徴を考えながらアドバイスをしてきました。
今回の支援方法は、急に走りだすADHDの子どもにはどうやって支援をしたらいいのか考えて、なやむお母さんにアドバイスして、すぐにつかえて効果のあった方法を紹介します。
知らないと今より苦労します!
大丈夫ですか?
子どもは授業でみんなについていけていますか?ちょっとでも心配なら後悔する前にこちらの記事を見たほうがいいかと思います。
目次
ADHDの子どもが急に走りだす理由
ADHDの子どもが急に走りだす理由がこちらです。
理由
視野がギュッとせまくなる
ADHDの子どもは自分の興味関心があることや好きなことを見つけると、それだけに集中して行動することがよくあります。そして、まわりが見えなくなるだけではなく、その興味があることに向かって走りだしてしまいます。
「うちの子もいっしょだわ…。」
ADHDの子どもは、
- すきなこと
- 興味関心があること
- 気になること
を見つけると、みんなと同じように見えているはずの世界が、急に視野がギュッとせまくなったかのように1つのことだけに集中してしまうことがよくあります。そして、まわりの状況や声(音)などが聞こえなくなったかのように、その興味関心があることだけに集中してしまい、そして、気持ちをおさえられなくなって急に走りだしてしまいます。
このような1つのことに興味をもって集中してしまうことを、ADHDの特性でもある「過集中」といいます。
そのほかのADHDの特性についてもっと詳しく知りたい方はこちら→NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター。
これが、ADHDの子どもが急に走りだす理由です。つぎの項目では、そんな急に走りだすADHDの子どもに効果的な対策方法について紹介します。
急に走りだすADHDの子どもに効果的な7つの対策
急に走りだすADHDの子どもに効果的な7つの対策方法がこちらです。
7つの対策
1つずつ説明します。
走ったらダメなところを教える
急に走りだすADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールするためには、子どもに「走ったらダメなところ」を教えることがたいせつです。
ADHDの子どもは興味関心があるものを見つけると、そのことだけに集中してまわりが見えなくなって急に走りだしてしまうことがよくあります。そうならないためにも、まずは、子どもが走ってしまいそうなところを事前に見つけて、子どもに走ってはいけない所(場面)を教えてあげるようにしましょう。
子どもが走りだしそうな場所を前もって伝えていないと、子どもが急に走りだしたときに、
「走ったらダメ!」
と子どもを注意しなければいけなくなります。さらに、
「道路なんだから急に走ったらあぶないでしょ!」
など、どうして怒ったのかを子どもに注意しながら教えなければいけなくなります。しかし、このような場面では、ADHDの子どもは興味関心があることを見つけて夢中になって走っただけなので、急に怒って行動を止められたことに、
「どうして!」
「なんで!?」
という気持ちを強く持ってしまいます。さらに、注意されたことに納得できないときは衝動的に怒りだして暴れることもあります。
「うちの子もいっしょだわ…。」
このような状態のADHDの子どもに「急に走りだしたことに対してどうして注意をしたのか」という理由を伝えても子どもが理解できない場合があります。そして、子どもの気持ちを落ち着かせることに苦労します。
そうならないためにも、子どもが急に走りだしそうなところを事前に見つけて、子どもが落ち着いているときに「走ったらダメな理由」を教えてあげることで、ADHDの子どもが興味関心のあることに夢中になって急に走りだしたとしても、
「『このまえ走ったらいけないよ』って教えたでしょ。」
と子どもに伝えられるようになるので、子どもも注意されたことに対してカッとなって怒りだすことなく、納得できるようになります。
- 興味関心がある場所
- 知っている人を見つけたとき
- 道路
- スーパーやデパート
- 駅のホーム
- 新しい場所へ行ったとき
視覚的なサポートをする
急に走りだすADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールするためには、視覚的なサポートをすることがたいせつです。
急に走りだすADHDの子どもに「走ったらダメ」ということを教えるときは、言葉だけで伝えるのではなく、走ったらダメなことがイメージできるように視覚的な支援をして伝えてあげましょう。そうすることで、ADHDの子どもは「走ったらダメなこと」が理解できるようになります。
絵を描く
写真をみせる
本やテレビなどで教える
このような支援をすることで、子どもが視覚的に走ったらダメなところについてハッキリとイメージできるようになります。
これもおすすめ!
絵や写真などを子どもに見せて「どこがあぶないのか」をクイズにして教えると、子どもは楽しみながら急に走るとあぶない場面について考えられるようになって、すぐには走らなくなります。
急な走りだしを前もって止めるために「声かけ」を工夫する
急に走りだすADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールするためには、子どもが急に走りだしそうになったときに、子どもの行動を前もって止めるために「声かけ」を工夫することがたいせつです。
ADHDの子どもが急に走りだすときは、自分の興味関心があることをパッと見つけたときや、何かピンッと思いついたときなどです。そのため、子どもが興味をもちそうなことは前もって把握するようにして、子どもが急に走りださないように「声かけ」を工夫して対策しましょう。
「どうやって前もって対策をするの?」
ADHDの子どもを自宅まで送迎しているときに、いつも家で待っているママが、その日は外で待っていて、それを見つけた子どもが「ただいまー!」と言いながら、まわりを確認することなく急に走りだしてドキッとしたことがありました。それをきっかけに私は、子どもを送迎するときは、
と子どもにいつも伝えるようにして送迎をするようにしました。そうすることで、子どもがママを見つけても、ママに向かって急に走りだすことなく「ママ、あそこにいた!」と教えてくれるようになって、まわりを確認することなく急に走りだしていたADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールできるようになりました。
「なるほど!」
まわりではなく「ママを見るための工夫」をする
急に走りだすADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールするためには、「ママを見るための工夫」をすることがたいせつです。
事前にADHDの子どもが走りだしそうなところを見つけて対応しようとしても、子どもがタッタッタッタと先を歩いていると、先に子どもが自分の興味関心があるものを見つけてダーッと走りだして「走ったらダメ」なことを事前に教えられないときもあります。
「はい…。」
そのようなことがないようにするためのオススメの方法が「ママのうしろをついてくるゲーム」です。
「?」
これは、
「ママのうしろをついてくるのよ。」
と子どもに伝えて子どもにうしろを歩かせるだけではなく、子どもが楽しみながらあなたのうしろをついて来られるように、わざと歩くスピードを速くしたり遅くしたりするゲームです。
このゲームをすることで、ADHDの子どもは楽しみながらあなたのうしろをついて来るようになります。さらに、まわりの安全をしっかりと確認しながら、ときどき急に走りだすことで、子どもはあなただけを見ながら「キャッキャッ♪」と喜んであなたのうしろをついてきます。そうすることで、子どもは興味のあることを見つけることなくあなただけを見て行動するので急に走りだすことがなくなります。
集団行動に慣れさせる
急に走りだすADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールするためには、子どもを集団行動に慣れさせることがたいせつです。
子どもがみんなの様子を見ながら行動したり、みんなのペースに合わせて行動したり、みんなと同じことをしようと意識したりすることができるようになれば集団行動ができるようになります。そして、子どもが集団行動をできるようになれば、子どもはまわりの様子を確認しながら、みんなに合わせようとすることができるようになるので急に走りだすこともなくなります。
子どもが集団行動に慣れれば日頃の生活の中でもまわりを確認しながら行動できるようになるので急に走りだす場面をグッと減らすことができるようになります。
「どうやって集団行動に慣れさせればいいの?」
ADHDの子どもを集団行動に慣れさせるかんたんな方法が、子どもが学校生活で困らないようにして、みんなといっしょに集団生活ができるようにすることです。そして、学校生活で困らないようにするためには、学校の授業に子どもがみんなと同じようについていけるようにすることがたいせつです。
子どもは授業についていけていますか?
ちょっとでも「ついていけているかな…。」と考えたあなたはこちらの記事を見たほうがいいかと思います。
事前告知で見通しを持たせる
急に走りだすADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールするためには、子どもに事前告知をして見通しを持たせることがたいせつです。
これから起こること
今から何があるのか
今からすること
などについて事前に子どもへしっかりと伝えてあげることで、子どもがこれからどんなことがあるのか事前に知ることができるようになります。
子どもがこれから起きる内容についてわかっている状態になれば、子どもが衝動的に気になったところへ急に走り出すことを防ぐことができます。子どもにはしっかりと事前告知を忘れないようにしましょう。
参考
ADHDの子どもに事前告知をするときに気をつけることがこちらです。
支援方法
- 見通しをもたせる
- 時間を伝える
- 作業を少なくする
- 話を聞けるようにする
- 計画的に行動できるようにする
もっと詳しい方法について知りたい方はこちらの記事が参考になります。
怒らないことを意識する【重要】
急に走りだすADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールするためには、子どもを怒らないように意識することがたいせつです。
ADHD の子どもの特性として自分の興味関心があることを見つけると衝動的に興味があることへ向かって走り出してしまうことがあります。そのため、子どもが急に走りだすことにある程度は許容範囲として「走ることを認めてあげる」意識をもちましょう。
ただし、急に走りだすことが危険な場面や誰かに迷惑をかけるようなときは、しっかりと注意するようにしましょう。
「危険な場面や誰かに迷惑をかけるようなときは注意をする」ということを徹底することで、子どもが走りだしたときに注意されても、
「あぶないんだ。」
「めいわくをかけるんだ。」
ということに子どもが気づけるようになります。危険な場面や誰かに迷惑をかけるようなときに子どもを注意することはたいせつですが、
「しょうがない…。」
「まぁいっか…。」
などと思えるようなときは、ある程度は子どもの走ることを認めてあげることもADHDの子どもにとっては必要な配慮です。
「それはわかるけど、どうしてもイライラしてしまうの…。」
子どもが急に走り出すことに対して何度も注意をしているのに、
「どうして守れないの…。」
「何回、注意したらいいの?!」
と子どもに対してイライラしてしまうときもあると思います。
「はい…。」
しかし、イライラしながら子どもに接することは、お互いにストレスを溜めてしまうことになるので、子どもにとってもあなたにとっても良いことはありません。
子どもが急に走り出したときにイラッとして怒らないようにするためにも心に余裕を持てるようにしましょう。そのためにも、今、子育てに対してストレスを感じているならば、まずは、子育てのストレスをできるかぎり減らすようにして、
「まぁいっか…。」
と思える心の余裕をもつようにしましょう。
参考
今、子育てにストレスを感じて、子育てを「ちょっとでもいいから今よりも楽にしたい」と考えているあなたは、こちらの記事を見てください。こちらの記事ではADHDの子どもの子育てを今日から楽にする3つの方法について紹介しています。
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ADHDの子どもを働きながらストレスを溜めずに育てる3つの方法|子育ての悩みをパッと解決!
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まとめ:7つの対策を実践することで、急に走りだすADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールできるようになる
急に走りだすADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールできるようになるためには、ADHDの子どもが急に走りだす理由について知ることがたいせつです。
理由がこちらです。
視野がギュッとせまくなる
そんな急に走りだすADHDの子どもに効果的な7つの対策方法がこちらです。
7つの対策
この7つの方法を意識して実践することで、急に走りだすADHDの子どもの行動をスムーズにコントロールできるようになります。
さらに、いつもなら急に走りだしてドキッとするような場面でも、落ち着いて行動したりみんなに合わせて行動したりする子どもの姿を見ることで、今まで困っていた悩みがパッとなくなり、日々のストレスがスーッと軽くなります。
そのためにも、できるだけ、そっと、気づかれないように、子どもが気持ちよく次の行動に動けるように、サポートしましょう。いつもなやんで、いつも頑張っているあなたの少しでも役に立つ情報になったのなら嬉しいです。ありがとうございました。
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