うちの子はADHDです。
ADHD傾向です。
グレーゾーンです。
そして、
勉強が苦手です。
- 支援学級を考えたほうがいいのかな…。
- 支援学級への入級のタイミングがよくわからない…。
- 勉強が苦手な子どもがこのまま授業についていけなくなるかと思うと心配…。
今回はこのような悩みを解決します。
最近、子どもが勉強をイヤがったり、授業の内容を理解できていない気がしたり、宿題をイヤがってやろうとしなかったりして、普通学級でがんばってほしい気持ちはあるけれど、
「支援学級に入れたほうがいいのかな…。」
と悩むことや、普通学級と支援学級では子どもにとってどっちがいいのかわからなくて、
「どうしたらいいの…。」
と困ることってありますよね。
そこで今回は、「普通学級」「支援学級」どちらの担任も経験したからこそわかる筆者が、勉強が苦手なADHDやグレーゾーンの子どもに支援学級への入級を考えるタイミングついて学年別で紹介します。
さっそく知りたい方はこちら。
→「勉強が苦手な子どもが支援学級への入級を考えるタイミング」
今回の記事を読むことで、
- 勉強が苦手なADHDやグレーゾーンの子どもにとって「支援学級を考えるタイミング」がわかるようになる
さらに、子どもには勉強ができるようになってほしいけれど、このまま普通学級でも、
勉強ができるようになるのか
みんなの学習についていけるのか
宿題をするようになるのか
などと悩んでいた気持ちもスーッと軽くなります。
本記事の執筆者情報
私は子どもにかかわる仕事を10年以上経験してきました。
- 元小学校教師(通常学級担任、特別支援学級担任をそれぞれ2年以上経験)
- 元障害児通所支援事業所勤務(放課後等デイサービスで、未就学児から小学生までの発達障害の子どもの支援業務を2年以上経験)
- 心理大学卒業のメンタルケア心理士(心理士資格取得のためにADHDの診断基準であるDSM-5を精神医科学基礎で学習。試験では満点。)
この経験を通して、たくさんの子どもを見てきました。
支援学級の担任時代
- 勉強ができずに1年生のときから支援学級へ通う子
- 勉強が苦手で途中から支援学級へ入級する子
通常学級の担任時代
- 勉強に対してのストレスが支援学級へ入ることでなくなる子
- 支援学級への入級をすすめられたけれど普通学級でがんばれた子
そして、子どもを支援学級に入れるべきかどうか悩んでいるお母さんから、
「うちの子は勉強ができません。支援学級へ入れるべきですか?」
と相談を受けて、その子の個性や特徴を考えながらアドバイスをしてきました。
今回は、勉強が苦手なADHDの子どもやグレーゾーンの子どもが、普通学級ではなく支援学級に入るべきかどうか簡単にわかる方法について紹介します。
※ほかにも支援学級への入級について悩みがあるならこちらの記事でまとめて解決できます。→「普通学級と支援学級で迷ったときの解決法」
注意!
子育ての不安をそのままにすると後悔します!「個別の療育や支援のほうがいいのかな?」とちょっとでも考えているあなたは失敗するまえにこちらの記事をみてください。
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目次
普通学級と支援学級の「学習環境」のちがい
普通学級と支援学級の学習環境にはちがいがあります。
普通学級
普通学級の場合は登校から下校まで、みんなと同じようにクラスでいっしょに授業を受けて勉強をします。時間割もみんなと同じです。そして、時間割通り、または、担任の指示通りに学習を進めていきます。
支援学級
支援学級では、まず、普通学級にはない科目があります。
※これは都道府県やお住まいの市区町村の小学校で「内容」や「ネーミング」にちがいがあるかもしれません。
たとえば、
普通学級なら低学年のときに勉強をしていた「生活科」が3年生からは「理科」と「社会科」に変わりますが、支援学級の場合はそのまま「生活科」というネーミングだったり、ほかにも「自立」や「あそび」という科目があったりします。
さらには、科目名も学校独自の名前があったりします。
「どうして名前をわざわざ変えるの?」
ほかにも、普通学級の小学3年生の子どもたちは算数の時間に「わり算」を勉強していたとしても、支援学級では、子どもにあった学習支援をするため、
- かけざん
- たしざん
- ひきざん
などを学習することもよくあります。
そのため、支援学級ではまわりの子どもや学年に合わせるのではなく、子ども自身のレベルに合わせた学習内容の勉強をすることがほとんどです。さらに、学校に設置された支援学級の教室数や子どもの数、担任やサポートしてくれる指導員の数などでも支援学級の学習環境は変わります。
私が支援学級の担任をしていたときは複数の学年の子どもを担任していたので、いっしょに勉強したり、席を行ったり来たりしながら子どもに教えたり、指導員の先生に数人の学習を見てもらっているあいだに別の子に勉強を教えたり、交流学級に子どもといっしょについて行ったりしていました。
※交流学級とは、支援学級に在籍している子どもが、同じ学年の普通学級の特定のクラスで、同年代の子どもたちといっしょに行事へ参加したり、授業を受けたり、給食を食べたりするときに利用する学級です。
以上が、普通学級と支援学級の「学習環境」のちがいです。つぎの項目では、勉強が苦手なADHDやグレーゾーンの子どもが支援学級を考えるタイミングについて学年別で紹介します。
【学年別】勉強が苦手なADHDやグレーゾーンの子どもが支援学級を考えるタイミング
勉強が苦手なADHDやグレーゾーンの子どもが支援学級を考えるタイミングを「低学年」「中学年」「高学年」別でそれぞれ紹介します。
かんたん早見表
支援学級を考えるタイミング
「低学年」の勉強ができない子どもが支援学級を考えるタイミング
「低学年」の勉強ができないADHDやグレーゾーンの子どもや、これから小学生になる未就学児の子どもが支援学級を考えるタイミングがこちらです。
未就学児(年長)
保育園・幼稚園の先生の意見
ADHDの診断を受けているならば担当医の意見
小学校の意見
低学年(小学1年生や2年生)
ADHDの診断を受けているならば担当医の意見
家で宿題をイヤがってやらない
担任から支援学級をすすめられたとき
取り出しの教科指導がない
上記が、「低学年(未就学児含む)」の子どもが支援学級を考えるタイミングです。
低学年の子どもの場合は、ADHDの診断を受けていても、
「うちの子はADHDだから支援学級に入れなきゃ!」
とすぐには判断しないようにしましょう。そして、担当医が支援学級をすすめない場合は「普通学級」を選ぶことをおすすめします。
また、保育園や幼稚園の先生(担任)が、
担任
「絶対に支援学級です。」
などと、アドバイスをくれなかった場合も、小学校では普通学級からスタートするようにして子どもの様子を見るようにしましょう。
学校によって異なりますが、低学年の場合は補助の先生がつくことがあるので、担任以外の先生からも授業中にサポートをしてもらえることがあります。サポートしてもらえることで子どもが普通学級の授業についていける可能性があります。
ほかにも、子どもがまだ低学年ということもあって、「学校の生活リズムに慣れていないことで勉強ができない」ことも考えられるので、普通学級に所属しながら子どもの様子を見て、今後、支援学級に入級させるべきかを考えましょう。
どうしても今の子どもの様子を見ていると、
- 勉強をイヤがってしない
- 授業についていけていない気がする
- 宿題を終わらせる時間がどんどん遅くなっている
などと気になる場合は、1度、担任に相談してみましょう。
「どんな言い方で担任に相談すればいいの?」」
「最近、子どもが勉強をイヤがって大変です。」
「授業ではみんなと同じように勉強ができていますか?」
「宿題を終わらせることに時間がとってもかかります。うちの子だけですか?」
などと、子どもの勉強について気になることをそのまま伝えるだけでも、担任は何か対応を考えてくれるはずです。
ほかにも、子どもの勉強が気になって、そして、授業にもついていけていない気がして心配な場合は、担任に「取り出しの指導(通級指導)」ができるのか確認してみましょう。
※「取り出し(通級指導)」とは、苦手な教科だけを個別で教えてもらう支援方法です。学校によっては導入していない場合があります。
注意
子どもの様子を見ていて、
- 宿題がまったくできない
- 学習内容をわかっていない
ときは、子どもが授業についていけていない可能性があります。低学年の段階で授業についていけない状態だと、これから、
- 中学年
- 高学年
になるにつれて、子どもはもっと勉強がわからなくなって大変になるので今すぐ対策をするようにしましょう。場合によっては支援学級を考えることをおすすめします。その場合も担任に相談しましょう。
参考
子どもが授業についていけるようになるために今から対策したほうがいい習い事について知りたい方はこちらの記事を見てください。
「中学年」の勉強ができない子どもが支援学級を考えるタイミング
「中学年」の勉強ができないADHDやグレーゾーンの子どもが支援学級を考えるタイミングがこちらです。
中学年(小学3年生や4年生)
宿題ができない
テストの結果がわるい
教科によって「できる」「できない」の差が激しい
取り出しの教科指導がない
担任の意見
上記が、「中学年」の子どもが支援学級を考えるタイミングです。
小学3年生や4年生になると、子どもは学校の生活リズムもわかってきて学校での過ごし方や行事の内容についても慣れてくるので、「学校に慣れないことが原因で勉強ができない」ということは低学年に比べて少なくなります。
そのため、
宿題ができない
テストの結果がわるい
場合は子どもに支援学級への入級を考えるタイミングかもしれません。
しかし、
「勉強ができない!支援学級に入れなきゃ!」
と決めつけてすぐに行動するのではなく、まずは、子どもの「学習について気になること」を担任に相談するようにしましょう。
担任に相談するときは、宿題ができないなら自宅で宿題をしない子どもの様子を具体的に伝えたり、テストの結果がわるい場合は、テスト内容がむずかしくてみんなも同じように点数が下がっているのか聞いたりして、担任に最近の子どもの様子について教えてもらいましょう。
担任に相談することで、
- 支援学級を考えるべきか
- このまま通常学級で大丈夫なのか
または、取り出しをするべきかを担任が考えて教えてくれるはずです。
直接、担任に言いにくい場合は電話や連絡帳で相談しましょう。
これも大事!
子どもが授業をみんなと同じように受けていても、集団のガヤガヤとした落ち着かない環境で勉強をすることに子どもが集中できずに勉強ができなかったり、クラスの雰囲気がわるく授業崩壊などが原因で子どもが勉強をしたくてもできなかったりする場合は、「家庭学習」で支援をしたり「習い事」をうまく利用したりすることであなたの悩みを解決できるかもしれません。
子どもにじっくりと自宅で学習サポートをする余裕がある方はこちらの記事を参考にしてください。
仕事や家事、育児が忙しくて「じっくりと子どもの勉強を自宅で見てあげられない」と悩むあなたはこちらの記事を見て後悔しないように今すぐ対策したほうがいいかと思います。
「高学年」の勉強ができない子どもが支援学級を考えるタイミング
「高学年」の勉強ができないADHDやグレーゾーンの子どもが支援学級を考えるタイミングがこちらです。
高学年(小学5年生や6年生)
担任の意見
テストの結果がわるい
宿題ができない
授業中のトラブル
授業に参加しない
取り出しの教科指導がない
上記が、「高学年」の子どもが支援学級を考えるタイミングです。
小学5年生や6年生の高学年になると、支援学級に入れるかどうかは担任の意見を1番に考えるようにしましょう。なぜなら、学習のつまずきが、5年生、6年生よりも前の段階からあることで、
- 授業についていけない
- クラスでトラブルになる
- テストや宿題ができない
という可能性があるからです。この場合は、子どもに合った学習ペースで勉強させることが1番必要な学習支援の方法の可能性があります。そして、それを判断できるのが担任です。
私が支援学級の担任をしていたときも、小学5年生から普通学級から支援学級へ入級してきた子どもがいましたが、勉強がまわりの子よりもかなり遅れていて、
と思った経験があります。
そのため、子どものことを考えるなら担任の意見を優先に考えるようにしましょう。
しかし、高学年になると、
- 担任が頼りない…。
- あとちょっとで卒業だから…。
と悩む保護者もたくさんいます。
「はい。」
担任が頼りないと支援学級をすすめられてもすぐには判断できないこともわかります。
今まで普通学級で大丈夫だったからこのまま卒業させたいという気持ちもわかります。
しかし、高学年で担任から支援学級についてすすめられた場合は、すぐに支援学級に入級させないとしても、「このまま何もせずにもう少し子どもの様子を見る」という判断だけはしないようにしましょう。
もっと苦労することになります。
しっかりと対策をしましょう。
「どうやって対策をすればいいの?」
まずは習い事を利用しましょう。特に高学年の場合は家庭教師をおすすめします。家庭教師なら1対1で勉強を教えてくれるので、子どもがどの学年から勉強をやりなおすほうがいいのか、しっかりと判断してもらえるはずです。
客観的に子どもの学習のつまずきを理解してから、もう1度、担任に相談することであなたも納得できるはずです。
参考
おすすめの家庭教師についての記事を2つ紹介します。後悔しないようにどちらか選んで今すぐ対策することをおすすめします。
その他の学習系の習い事について知りたい方はこちら。
支援学級ではなく普通学級に在籍させるためにやるべき対策【勉強ができないADHDの子どもやグレーゾーンの子ども専用】
勉強ができないADHDやグレーゾーンの子どもを、
「支援学級ではなく普通学級に在籍させたい。」
と考える場合に、あなたがやるべき対策がこちらです。
- 宿題のサポートをしっかりとする
- 習い事を利用して勉強をついていけるようにする
宿題のサポートをしっかりとする
勉強ができないADHDの子どもを支援学級ではなく普通学級に在籍させたいならば、宿題のサポートをしっかりとするようにしましょう。
- 授業中にみんなについていけない
- テストの点数が良くない
などをきっかけに子どもは「勉強ができない…。」と思うようになります。そして、それはあなたも同じだと思います。
「はい…。」
子どもが授業中に楽しくないと思って勉強がキライにならないように、みんなについていけないことで子どもとあなたが悩んで苦労しないようにするためにも、
みんなと同じように授業へ参加できる
テストで良い点数を取れるようになる
ように対策をしましょう。
そのためにやるべきことが宿題のサポートです。
宿題は授業の復習が出ます。そして、宿題ができれば授業の内容も子どもがわかるようになります。子どもが宿題をできていれば授業にもついていける証拠になります。そのため、宿題のサポートをしっかりとするようにしましょう。
参考
宿題を子どもがイヤがってやらない場合はこちらの記事をみてください。
習い事を利用して勉強をついていけるようにする
勉強ができないADHDの子どもを支援学級ではなく普通学級に在籍させたいならば、習い事を利用して子どもが勉強できるようにしましょう。
子どもが勉強イヤがったり学習支援の方法がわからなかったり忙しくて子どもに勉強を教えられなかったりする場合は、今すぐに習い事を利用して子どもが勉強をイヤがらずにできるように対策しましょう。
参考
ADHDの子どもがみんなと同じよう授業についていけるようになる習い事を紹介した記事がこちらです。これ以上悩んで苦労しないように見ることをおすすめします。
まとめ:支援学級を考えなければいけないポイントを学年別で意識することで、勉強が苦手なADHDやグレーゾーンの子どもにとって「支援学級を考えるタイミング」がわかるようになる
今回は、勉強が苦手なADHDやグレーゾーンの子どもにとって「支援学級を考えるタイミング」について紹介しました。
まず、普通学級か支援学級のどちらがいいのかを考えるためには、それぞれの学習環境において「さまざまな違い」があることを理解することがたいせつです。
そして、学年別で勉強が苦手なADHDやグレーゾーンの子どもが支援学級を考えるタイミングがこちらです。
未就学児
保育園・幼稚園の先生の意見
ADHDの診断を受けているならば担当医の意見
小学校の意見
低学年
ADHDの診断を受けているならば担当医の意見
家で宿題をイヤがってやらない
担任から支援学級をすすめられたとき
取り出しの教科指導がない
中学年
宿題ができない
テストの結果がわるい
教科によって「できる」「できない」の差が激しい
取り出しの教科指導がない
担任の意見
高学年
担任の意見
テストの結果がわるい
宿題ができない
授業中のトラブル
授業に参加しない
取り出しの教科指導がない
それぞれの学年別で支援学級を考えなければいけないポイントを意識することで、勉強が苦手なADHDやグレーゾーンの子どもにとって「支援学級を考えるタイミング」がわかるようになります。
さらに、
子どもには勉強ができるようになってほしいけれど、このまま普通学級でも、
- 勉強ができるようになるのか
- みんなの学習についていけるのか
- 宿題をするようになるのか
などと困っていた悩みがパッとなくなり、日々のストレスがスーッと軽くなります。
いつも悩んで、いつも頑張っているあなたの少しでも役に立つ情報になったのなら嬉しいです。ありがとうございました。
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