うちの子はADHDです。
ADHD傾向です。
グレーゾーンです。
- 物を貸せない…。
- いつも自分1人だけで使おうとする…。
- 物の貸し借りが友達や兄弟とできるようになってほしい…。
今回はこのような悩みを解決します。
子どもが遊んでいるおもちゃを貸せなかったり使っている物を友達や兄弟と仲良くいっしょに使えなかったりして、
「どうしたらいいの…。」
と困ることってありますよね。
そこで今回は、物を貸せないADHDの子どもに効果的な5つの対策方法について紹介します。
さっそく知りたい方はこちら。
今回の記事を読むことで、
- ADHDの子どもが物を貸せるようになる
さらに、友達や兄弟となかよく同じ物をつかう場面や、「貸してあげて」の1言で物を貸せるようになった子どもの姿を見ることで、いつも悩んでいたあなたの気持ちもスーッと軽くなります。
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【悩み解決】ADHDの子どもの「育て方の悩み」をまとめて解決したい方はこちら。
本記事の執筆者情報
私は子どもにかかわる仕事を10年以上経験してきました。
- 元小学校教師(通常学級担任、特別支援学級担任をそれぞれ2年以上経験)
- 元障害児通所支援事業所勤務(放課後等デイサービスで、未就学児から小学生までの発達障害の子どもの支援業務を2年以上経験)
- 心理大学卒業のメンタルケア心理士(心理士資格取得のためにADHDの診断基準であるDSM-5を精神医科学基礎で学習。試験では満点。)
この経験を通して、たくさんの子どもを見てきました。
物を貸すことができずにいつも怒られる子
友達と仲良くいっしょのおもちゃで遊べずトラブルになる子
ちょっとでも誰かに自分の物を触られると大きな声で怒りだす子
そして、そのような子どものお母さんから、
「子どもが人に物を貸すことができません。どうしたらいいですか?」
と相談を受けて、その子の個性や特徴を考えながらアドバイスをしてきました。
今回の支援方法は、物を貸せないADHDの子どもにはどうやって支援したらいいのかを考えて、なやむお母さんにアドバイスをして、すぐにつかえて効果のあった方法を紹介します。
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目次
ADHDの子どもが物を貸せない理由
ADHDの子どもが物を貸せない理由がこちらです。
理由
好きな物や楽しい物はずっと使いたい
好きなことや興味があることにはずっと集中できるADHDの子どもにとって、
好きな物
楽しく使っている物
興味をもった物
などは、「だれかに貸す」「いっしょに使う」ということがなかなかできません。
ADHDの子どもは自分が好きな物や楽しく使っている物は、
「ずっと使っていたい!」
「だれにも貸したくない!」
と思うことがよくあります。さらに、だれかが使っているものを「使いたい」と思うと、自分の気持ちをおさえることができずに、
「貸して!」
「なんで!?」
「ずるい!!」
「使いたい!!」
などと衝動的に大きな声を出して使いたがったり、勝手に相手から物を取ったりしてトラブルになることもよくあります。
「うちの子といっしょだわ…。」
これが、ADHDの子どもが物を貸せない理由です。つぎの項目では、そんなADHDの子どもが物を貸せるようになるための方法について紹介します。
物を貸せないADHDの子どもに効果的な5つの対策
物を貸せないADHDの子どもに効果的な5つの対策方法がこちらです。
5つの対策
だれにも貸したくない物を3つ決める
ADHDの子どもが物を貸せるようになるためには、子どもにとって「だれにも貸したくない物」を3つ決めることがたいせつです。
ADHDの子どもは自分が興味のある物や好きな物には夢中になります。そして、
「やりたい!」
「使いたい!」
と思ったときに、
できない
つかえない
とわかると、自分の感情をうまくコントロールできずに衝動的に怒ったりあばれたりすることがあります。
「はい…。」
それだけではなく、お気に入りの物や子どもにとってこだわりがある物は、
- だれかに貸す
- 使うのを我慢する
- いっしょに使う
ということがなかなかできません。そのため、ADHDの子どもには自分のすきな物やお気に入りの物などは、できるだけ子どもが「使えない」という状況を減らすようにしましょう。
そのためにもまずは子どもが、
だれにも使ってほしくない
だれにも貸したくない
と思う物を3つ決めるようにしましょう。そうすることで、
「イヤだ!」
「なんで?!」
「どうして貸すの!?」
などと子どもが怒ったりあばれたりする場面を減らすことができるようになります。さらに、
「貸したくない!」
と子どもがイヤがったときにも、
「絶対に貸したくないのはこっちでしょ。」
と子どもに言えるようになるので、トラブルを減らしながらスムーズに友達や兄弟と貸し借りができるようになります。
「なるほど。けど、どうして3つなの?」
だれにも貸したくない物が1つでなく「3つ」にする理由は、ADHDの子どもはいろいろなことに興味をもつので、毎回のように貸したくない物が変わるからです。そのようなときに「絶対に貸したくない物」が1つだと、
「イヤ!これも貸したくない!」
と子どもが言い出してしまう可能性があります。しかし、「3つ」だと、「これ(新しい物)は貸したくない」と子どもがわがままを言ったときに、
「それなら、この前決めた3つの中からどれなら貸してもいいの?」
と子どもに伝えることができるので、子どもは「新しい物」と「前に決めた3つ」の中で、貸してもいい物はどれかを考えることができるようになります。そして、
「この2つは絶対ダメ。これなら貸してもいいよ。」
と子どもは言うようになるので、今まで相手に貸せなかったこだわりのある物を貸せるようになります。そして、今まで子どもが貸せなかった物が貸せるようになったときに、
「今まで貸せなかった大切な物が貸せるようになったね♪」
とほめることができるようになります。このような子どもの行動とあなたの声かけが、子どもが持ち物を相手に貸せるようになるきっかけになります。
持ち物を貸すことができたらほめる
ADHDの子どもが物を貸せるようになるためには、子どもが自分の持ち物を貸すことができたらほめることがたいせつです。
ADHDの子どもがだれかに何かを貸すことができたときには、子どもをほめることを忘れないようにしましょう。さらに、子どもが物を貸すことができた相手にも「貸してくれてありがとう」と言わせるようにしましょう。物を貸したら、
- ほめられる
- 「ありがとう」を言われる
この2つの経験で、ADHDの子どもは嬉しい気持ちになれるのでスムーズに物を貸せるきっかけになります。さらに、子どもが物を借りたときに自然と「ありがとう」を相手に言えるようにもなります。
貸し借りでトラブルになるなら「順番」と「タイマー」
ADHDの子どもが物を貸せるようになるためには、子どもが物の貸し借りでトラブルになることが多いなら「順番」と「タイマー」で解決することがたいせつです。
ADHDの子どもは物の貸し借りで兄弟や友達とトラブルになることはよくあります。
「はい…。」
物の貸し借りで兄弟や友達とトラブルになるときの対策として、
- 順番をきめる
- 時間をきめる
ことがたいせつです。そして、物の貸し借りをするときは、できるだけADHDの子どもが優先に使えるように意識しましょう。
ADHDの子どもは物を貸すことだけではなく、順番を守って「待つ」ということも苦手です。さらに、自分は守れないけれど、相手が順番や約束(時間)を守らないことにはとてもきびしいです。
「うちの子もいっしょだわ…。『どうして自分はいいのに、相手にはきびしいの?!』と何度も思ったことがあるわ。」
ADHDの子どもが最初に使えるようにすることで子どもが、
満足できて物を貸せる
イヤがらずに物を貸せる
トラブルにならない
ならば、ADHDの子どもに優先的に物を使わせるようにしましょう。そして、ただ最初に使わせるだけではなく、「時間をきめる」ことがたいせつです。
※タイマーは100円均一などの手頃な値段の物で十分です。
使ってもいい時間を決めたら、子どもにスタートのボタンを押させるようにしましょう。そうしなければ、時間がきたときに、
「まだだよ!」
「スタートしたときにはまだ使ってなかったよ!だからもうちょっと!」
などと子どもが言ってスムーズに貸せなくなってしまう可能性があるので、子どもが納得して使い始められるように子どもにスタートのボタンを押させるようにしましょう。
これも重要!
約束の時間になったときに、
「時間よ!貸してあげて。」
と子どもに言わずに、子どもが約束の時間になったことに自分で気づいて、自分からわたすまで待ちましょう。このときにも、設定した時間になると鳴り続けるタイマーなら、スムーズに物を貸す「きっかけ」をつくることができます。そして、約束の時間になって子どもが物を貸せたときにはしっかりとほめてあげるようにしましょう。
このくり返しで、ADHDの子どもが物の貸し借りでトラブルになることもなく、スムーズに持ち物を貸したり、仲良くいっしょに使ったりすることができるようになります。
相手の気持ちを考えられるようにする
ADHDの子どもが物を貸せるようになるためには、相手の気持ちを考えられるようにすることがたいせつです。
ADHDの子どもがスムーズに物を貸すことができるようにするためには、「貸して欲しい気持ち」や「借りて嬉しい気持ち」を子どもがイメージできるようにする必要があります。そのためには、子どもが持ち物を友達といっしょに使ったり、友達がこまっているときに持ち物を貸してあげて「ありがとう」という言葉を言ってもらったりする経験がたいせつです。
さらに、ADHDの子どもが「借りたい」「使いたい」と思った物を友達からイヤな顔をされずに貸してもらう場面を多くふやすことで、子どもが友達にも自分の物をイヤがらずに貸したり、1つの物をいっしょに仲良く使ったりすることができるようになります。そのためにも、物を貸せないADHDの子どもには、1つの物をいっしょに使ったり仲良く貸し借りをしたりできるような友達と関わる時間をできるだけ増やすようにしましょう。
参考
ADHDの子どもが友達と仲良くできずに困っているならこちらの記事で悩みを解決することをおすすめします。
使う物を共有できる場面をふやす【重要】
ADHDの子どもが物を貸せるようになるためには、子どもが「誰かと使う物を共有できる場面」をふやすことがたいせつです。
子どもがイヤな顔をせずに持ち物を貸したり、いっしょに使ったりすることができるようになるためには、特定の物をみんなで共有したり仲良く使ったりする場面をふやす必要があります。相手といっしょに使わなければいけない物が多ければ多いほど、子どもは友達との貸し借りをする場面がふえるようになります。
友達に貸して「ありがとう」を言ってもらう
友達に貸してもらって「ありがとう」を言う
いっしょに同じ物を使って「たのしい」と思う
などの経験が増えればふえるほど、子どもは「貸してもまた使える」と思うことができるようになるので、イヤな気持ちにならずに物を貸したり共有したりすることができるようになります。そのためにも、ADHDの子どもが使う物を共有できる場面を日頃からふやすようにして悩みを解決するようにしましょう。
知っていますか?
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まとめ:5つの対策を実践することで、ADHDの子どもが物を貸せるようになる
ADHDの子どもが物を貸せるようになるためには、ADHDの子どもが物を貸せない理由について知ることがたいせつです。
ADHDの子どもが物を貸せない理由がこちらです。
理由
好きな物や楽しい物はずっと使いたい
物を貸せないADHDの子どもに効果的な5つの対策方法がこちらです。
5つの対策
この5つの方法を意識して実践することで、ADHDの子どもが物を貸せるようになります。
さらに、友達や兄弟となかよく同じ物をつかう場面や、「貸してあげて」の1言で物を貸せるようになった子どもの姿を見ることで、今まで困っていた悩みがパッとなくなり、日々のストレスがスーッと軽くなります。
そのためにも、できるだけ、そっと、気づかれないように、子どもが気持ちよく次の行動へ動けるようにサポートしましょう。いつもなやんで、いつも頑張っているあなたの少しでも役に立つ情報になったのなら嬉しいです。ありがとうございました。
子どもに合っていますか?
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