「我慢をさせるリスクは大きい!我慢できないADHDの子どもにするべき5つの支援」の文字

ADHD

我慢できないADHDの子どもにするべき5つの支援。我慢をさせるリスクは大きい!

うちの子はADHDです。

ADHD傾向です。

グレーゾーンです。

  • 我慢することができない…。
  • 我慢させると大きな声で泣いたりあばれたりしてこまる…。
  • ほかの子は我慢できるのに…。ちょっとは我慢できる子になってほしい…。

今回はこのような悩みを解決します。

 

子どもが我慢をすることが苦手で、ほかの子が我慢しているときも我慢できなかったり我慢させようとするとあばれたりして、

「どうして!?」

ストレスが溜まっている女性

と困ったり悩んだりすることってありますよね。

 

そこで今回は、我慢できないADHDの子どもに実践すべき5つの支援方法について紹介します。

さっそく知りたい方はこちら。

「我慢ができないADHDの子どもに実践すべき5つの支援」

 

今回の記事を読むことで、ADHDの子どもが、

  • ほかの子と同じように我慢ができるようになる
  • ストレスを溜めることなく我慢ができるようになる

さらに、いつもなら我慢できずに怒ったり泣いたりしていたことでも、自分で気持ちをコントロールしながら我慢をする子どもの姿を見ることで、今までの悩みがパッとなくなります。

 

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【悩み解決】ADHDの子どもの「育て方の悩み」をまとめて解決したい方はこちら。

≫【必読・保存版】ADHDの子どもの子育てに悩んだらまず読む記事|幼児から小学生対象。

 

本記事の執筆者情報

私は子どもにかかわる仕事を10年以上経験してきました。

  • 元小学校教師(通常学級担任、特別支援学級担任をそれぞれ2年以上経験)
  • 元障害児通所支援事業所勤務(放課後等デイサービスで、未就学児から小学生までの発達障害の子どもの支援業務を2年以上経験)
  • 心理大学卒業のメンタルケア心理士(心理士資格取得のためにADHDの診断基準であるDSM-5を精神医科学基礎で学習。試験では満点。)

この経験を通して、たくさんの子どもを見てきました。

 

我慢ができずに友達とトラブルになる子

「ダメ。」と注意されるたびに我慢できずにあばれる子

順番が待てずに「我慢できない!」といつも怒る子

そして、そのような子どものお母さんから、

「子どもが自分のしたいことだけをしようとして我慢することができません。いつも我慢させるのに苦労します。どうしたらいいですか?」

白旗を上げて困っている女性

と相談を受けて、その子の個性や特徴を考えながらアドバイスをしてきました。

 

今回の支援方法は、我慢ができないADHDの子どもにはどうやって支援したらいいのか考えて、なやむお母さんにアドバイスして、すぐにつかえて効果のあった方法を紹介します。

 

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ADHDの子どもが我慢できない理由

「ADHDの子ども,我慢できない理由」の文字

ADHDの子どもが我慢できない理由がこちらです。

理由

自分のルールを勝手に決めてしまう

 

ADHDの子どもはルール(約束)を理解したり覚えたりすることが苦手です。そのため、ルールを自分なりに理解して、みんなとはちがう「自分だけのルール」を勝手に決めてしまうことがよくあります。そして、友達と遊んだりみんなといっしょに何かをしたりしているときに、

「ちがうよ。」

「まだだよ。」

「次まで待って。」

などと言われてもADHDの子どもは「ルールは僕の頭の中にある!」という状態になっているので、ちょっとでも自分が思ったこととちがうと、

「何で!?」

「ちがう!!」

イライラして怒っている男の子

と思って我慢ができなくなってしまいます。

 

このように、みんながふつうと思うことでも、ADHDの子どもはルールをすぐには理解することができないので、ちょっとでもまちがって覚えてしまうと、

「よし!おぼえた!」

ガッツポーズの男の子

と「自分ルール」を勝手に作ってしまうことがよくあります。そして、自分が間違えて覚えているのに「みんなが違う」と思い込んで、

「え!?ちがうよ!」

「今はこれをするんだよ!」

「順番はぼくの番だ!」

大きな声を出して怒る男の子

などと言ってしまいます。そして、

「まちがっていないよ。」

「○○ちゃんがちがうよ。」

「今は、○○ちゃんの番ではないよ。」

などとまわりから言われることで、

「なんで!?」

「うるさい!」

「イヤだ!」

大きな声を出して怒る男の子

「我慢できない!」

イライラして怒っている男の子

と、ADHDの子どもは、どうしてそんなことを言われるのか理解できずに、我慢をすることができなくなって怒ったりあばれたりしてしまいます。

「うちの子といっしょだわ…。」

ゾッとして汗をかくママ

 

これが、ADHDの子どもが我慢できない理由です。つぎの項目では、そんなADHDの子どもが我慢できるようになる方法について紹介します。

 

我慢ができないADHDの子どもに実践すべき5つの支援方法

「我慢できないADHDの子ども,実践すべき5つの支援方法」の文字

我慢ができないADHDの子どもに実践すべき5つの支援方法がこちらです。

1つずつ説明します。

 

否定しないようにする

ADHDの子どもが我慢できるようになるためには、子どものことを否定しないように意識することがたいせつです。

 

ADHDの子どもを我慢させるときに注意しなければいけないことが「否定しない」ことです。

「注意しないと子どもはわからないし、ずっと我慢させずにわがままを言わせて自由にさせてもいいの?」

悩む顔のママ

 

子どもが我慢をするときにストレスを特に感じるのは「ダメ。」と否定をされたときです。そして、ストレスを感じることで子どもは気持ちが不安定になって、ちょっとしたことで我慢ができなくなったりかんしゃくを起こして怒り出したりしてしまうきっかけになります。

 

そのため、ADHDの子どもに我慢をさせるときに否定しなければ、子どもの「我慢することに対してのストレス」を減らすことができるようになります。

「ダメ!」

「ちがう!」

上から目線で注意する女性

などと、否定することなく子どもをうまくコントロールしながら我慢させることを意識するようにしましょう。

 

子どもの考えていることを理解する

ADHDの子どもが我慢できるようになるためには、子どもが何を考えているのかを理解することがたいせつです。

 

ADHDの子どもが我慢することができるようになるためには、「ダメ!」と注意をする前に、子どもが「どうしてそのような行動をするのか」を考えるようにしましょう。

 

はてな

その注意は「決めつけでスタートした注意」になっていませんか?

 

kokou
「とつぜんですが、クイズです。」

この絵を見てください。

ラグビーの写真

・・・・・

 

・・・・

 

・・・

 

・・

 

女子ラグビーの写真

おそらくこの絵を見たときに、「筋肉ムキムキ男子がドロドロになりながらも光る汗をとばしてラグビーをしている絵」だと決めつけていませんでしたか?

 

しかし、実際はこの絵でラグビーをしていたのは女性です。

 

このように、全体を見ずに、ちいさな部分だけで決めつけて行動すると間違うときもあります。

 

子どもを「ダメ」と注意するまえに、まずは、子どもが「どうしてそのような行動をするのか」をすこし考えるようにしましょう。

 

もしかしたら何か理由があったり、注意する大人がまちがっていたりするかもしれません。

 

「我慢させよう!」

「注意しなければ!」

おどろいている女性

と思ったときには、まずは子どもの気持ちを考えるようにしましょう。そして、原因がわからない場合は子どもに聞くようにしましょう。

「どうしてかな?」

「なにを我慢するのがイヤなのかな?」

などと、子どもを注意する前に「子どもの気持ちを理解しよう」とすることがたいせつです。

 

そして、子どもに聞いたあと、子どもが間違っていたら、そこで子どもに我慢をさせるために「我慢しなければいけない理由」をしっかりと教えてあげるようにしましょう。

 

このように意識するだけで、ADHDの子どもが納得して我慢ができる回数がふえるようになります。そして、子どもに我慢をさせる回数も減って、あなたも子どももストレスを溜めることがグッと少なくなります。

 

我慢ができるように少しずつ教える

ADHDの子どもが我慢できるようになるためには、子どもが我慢をできるように少しずつ教えてあげることがたいせつです。そして、子どものペースに合わせて理解させるようにしましょう。

「子どもに合わせると時間がかかってしょうがないわ。10秒でおわるようなことを、3分とか5分とかかかるのよ!」

悩む顔のママ

 

子どものペースに合わせて理解させようとすると時間はかかりますが、そこで時間をかけて教えてあげることでADHDの子どもは理解してくれます。

 

しかし、10秒で教えようとすると、子どもは理解できないまま我慢をしてしまうので、また同じことをくり返してしまいます。

 

それを何度もくりかえせば、あなたも子どももストレスが溜まります。

 

時間も「回数×10秒」になって結局、多くなります。

「たしかに。わたしのストレスも「回数×注意」でふえるわ。」

驚いた顔のママ

 

そのため、子どもが「我慢しなければいけない理由」を理解できるように、時間がかかっても子どもにわかりやすく教えてあげるようにしましょう。

 

たとえば、

順番待ちを我慢できないADHDの子どもには、

ポイント

  • どうして待つのか
  • いつまで待つのか
  • 待ったあとはどうなるのか

などを、数字などを使ってわかりやすく教えてあげるようにしましょう。

「例」

「待てないよー」

イライラして怒っている男の子

「いっぱい待っているね。けど、ここまで待ててかしこいね。」

「どうして待っているかわかる?」

にっこり笑う女性

「□□だから?」

「そうだよ。考えて待ててえらいね。」

「けど、もうつかれたよ。」

「つかれたね。あと△△分くらいかな。それまでの時間で何ができるかな?」

「☆☆ならできる?」

「いいよ。☆☆しながら待とう。」

「待ったあとは、がんばって待てた○○ちゃんをほめられるからママ楽しみ♪」

にっこり笑う女性

「うん♪」

にっこり笑う男の子

このように、子どもと会話をしながら、わかりやすく「我慢しなければいけない理由」を教えてあげることがたいせつです。

 

そうすることで、ADHDの子どもが我慢することにストレスを溜めることがなくなります。そして、気づけば我慢することができる子どもに変わります。

 

参考

ADHDの子どもがストレスをためずに我慢できるちょっとした方法を紹介します。1番良いのは「親子の会話」ですが、それ以外でも、

なぞなぞ

問題を出し合ったり考えたりできます。たくさん回数ができるように簡単な問題の方がおすすめです。

知恵の輪

持ち運びがしやすく子どもが集中することができたら長い時間待つことができます。できたら大喜びです。

 

気持ちを伝えられるようにする

ADHDの子どもが我慢できるようになるためには、子どもが自分の気持ちをうまく言葉で伝えられるようにすることがたいせつです。

 

ADHDの子どもはちょっとでもイヤなことがあると感情的になって自分の気持ちを我慢できずに怒ったり泣いたりあばれたりしてしまうことがよくあります。そのため、

  • イヤなこと
  • やりたくないこと
  • 我慢できないこと

などがあったときに、子どもが気持ちを我慢できずに怒ったり暴れたりして自分の気持ちを表現するのではなく、我慢できないイヤな気持ちを自分の言葉で言えるように教えてあげることがたいせつです。

 

子どもが「我慢できないイヤな気持ち」を言葉で伝えられるようになれば、今後、同じような状況になったときに「何がイヤで我慢できない」のかをすぐに理解することができるようになるので、スムーズに対応ができるようになります。そのためにも、子どもが我慢できない気持ちをうまく言葉で伝えられるように支援してあげましょう。

 

参考

ADHDの子どもが自分の気持ちを伝えられるようになるためには、

5つの支援方法

  • 「今」、自分はどんな気持ちなのかを理解させる
  • 感情に合わせた行動ができるようにする
  • 言葉ではない伝え方をおしえる
  • すぐに手を出さないように対策をする
  • 【重要】コミュニケーション能力を身につけさせる

この5つの方法を実践することで、ADHDの子どもが我慢できない気持ちを自分の言葉で伝えられるようになります。

もっと詳しく5つの方法について知りたい方はこちらの記事を見てください。

 

クールダウンできるようにする

ADHDの子どもが我慢できるようになるためには、子どもが自分でクールダウンができるようにすることがたいせつです。

 

我慢ができずにすぐに怒ったり泣いたりあばれたりしてしまうADHDの子どもは、ADHDの特性でもある「衝動性」が強く出てしまって、すぐに感情の怒りスイッチが入ってしまい自分の気持ちをうまくコントロールできなくなることがよくあります。

ADHDの特性について詳しく知りたい方はこちら→NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター

 

そして、1度、我慢できずに感情的になってしまったADHDの子どもは落ち着くまでに時間がかかります。

「よくあるわ…。いつもヘトヘトになるの…。」

悩む顔のママ

そのため、我慢ができずに衝動的に怒りだしてしまうADHDの子どもには、

  • イライラする
  • ムカムカする
  • モヤモヤする

ときに、我慢できずに感情に任せて怒り出さないようにするためにも、気持ちを落ち着かせられる(クールダウン)できる方法を教えてあげるようにしましょう。

 

参考

ADHDの子どもがクールダウンできるようになる方法をいくつか紹介します。

方法

  1. 子どもに合ったクールダウングッズを利用する
  2. 子どもの落ち着ける場所を1つ作る
  3. 我慢できないときは「大人に伝える」ことを教える
  4. 我慢できなかったイヤなことを紙に書いてビリビリにやぶく

上記のような対応方法を実践して、子どもが我慢できないときにクールダウンできる方法を教えておくことも重要な支援方法です。

「クールダウングッズは何がいいの?」

考えるママ

と思ったあなたはこちらの記事を見てください。ADHDの子どもにおすすめの1つは持っておくべきクールダウングッズについて紹介しています。

 

【注意】ADHDの子どもに我慢させすぎると危険

「【注意】ADHDの子どもに我慢させすぎると危険」の文字

上記の内容を実践することでADHDの子どもは我慢ができるようになります。しかし、ADHDの子どもに我慢をさせるときは気をつけなければいけないことがあります。

注意ポイント

ムリやり我慢をさせない

 

ADHDの子どもが自分の気持ちをコントロールしながら上手に我慢をすることができているなら問題はないですが、こっちの都合つごうでムリやり我慢させることはしないようにしましょう。

 

ADHDの子どもは、

「我慢しなさい!」

「ダメでしょ!」

上から目線で注意する女性

などと、ムリやり我慢させられることに対してストレスを感じてしまいます。子どもがストレスを溜めないように、そして、

「我慢しなきゃ…。」

「また、我慢か…。」

と子どもが思わないように、うまく子どもの気持ちと行動をコントロールしながら我慢させるようにしましょう。

 

なぜなら、ADHDの子どもはムリやり我慢させられると、ほかの子ども以上にストレスを溜めてしまいます。そして、ストレスの発散方法がわからないと、

「イヤだ!!」

イライラして怒っている男の子

と思った感情を上手に伝えることができずに泣いたり、あばれたり、さけんだりして抵抗するようになるからです。

 

さらに、子どもの行動が危険な場合はムリやりでも抑えなければいけないので、子どもを注意したり怒ったりすることになります。そうすると子どもはますます我慢しなければならず、さらにストレスを溜めることになってしまいます。そして、これがずっと続くとADHDの子どもはストレスをうまく発散できなくなって、

身体症状

腹痛、抜毛、気分低下、無気力など

としてあらわれるか、行動としての

二次障害

暴力・非行・不登校など

になる可能性があります。

 

これがADHDの子どもに我慢をさせると起こるリスクです。そうならないためにも、ADHDの子どもをムリやり我慢させることはやめましょう。そして、子どもがストレスを溜めないようにうまくコントロールしながら我慢ができるように支援をするようにしましょう。

 

こんな方法もあります

子どもがストレスを発散できるように「習い事」を利用することもオススメです。

 

習い事を利用することで子どもは楽しい時間を過ごすことができて、そして、ストレスを溜めることがなくなります。さらに、「我慢ができるようにする」ことも習い事の先生に教えてもらうことで、あなたも、

「ダメ!」

「我慢しなさい!」

などと子どもに言わなくてすむようになります。

 

参考

ADHDの子どもにおすすめの習い事について知りたい方はこちらの記事を見てください。

子どもに合った習い事が簡単に見つかります。

『ADHDの子どもにおすすめの習い事「15選」。学習系・運動系・文化系ぜんぶあり!』の文字
ADHDの子どもにおすすめの習い事「15選」。学習系・運動系・文化系ぜんぶあり!

続きを見る

 

まとめ:5つの支援方法を実践することでADHDの子どもが我慢できるようになる

アヒルの写真に「まとめ」の文字

ADHDの子どもが我慢できるようになるためには、まず、ADHDの子どもが我慢できない理由について知ることがたいせつです。

理由がこちらです。

自分のルールを勝手に決めてしまう

 

そんなADHDの子どもが、我慢してスムーズに気持ちを切りかえたり行動したりできるようになるためにやるべき支援方法がこちらです。

この5つの方法を意識して実践することで、ADHDの子どもが我慢をすることができるようになります。

 

さらに、いつもなら我慢できずに怒ったり泣いたりしていたことでも、自分で気持ちをコントロールしながら我慢をすることができるようになった子どもの姿を見ることで、今まで困っていた悩みがパッとなくなり、日々のストレスがスーッと軽くなります。

 

そのためにも、できるだけ、そっと、気づかれないように、子どもが気持ちよく次の行動に動けるように、サポートしましょう。いつもなやんで、いつも頑張っているあなたの少しでも役に立つ情報になったのなら嬉しいです。ありがとうございました。

 

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kokou

kokou

子どもが好きです。子育て、ADHD、発達障害についての専門家。 心理大学卒の元小学校教師、元障害児通所支援事業所勤務、そして、メンタルケア心理士。子ども「に」教えるのは得意にしてきたが、現在、子ども「を」育てる難しさをパパとして勉強&奮闘中。

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