うちの子はADHDです。
ADHD傾向です。
グレーゾーンです。
- 声の大きさが気になる…。
- 「静かにしなさい!」と言ってもダメ…。
- 注意しても聞かないから疲れるだけ…。
今回はこのような悩みを解決します。
子どもがまわりと同じような「声の大きさ」で話せなくて、注意してやっと静かになったと思ったら、またすぐに大きな声を出して、
「どうしたらいいの…。」
と困ることってありますよね。
そこで今回は、ADHDの子どもの「声の大きさ」をコントロールするために実践すべき7つの対策方法について紹介します。
さっそく知りたい方はこちら。
今回の記事を読むことでADHDの子どもが、
- 「声の大きさ」をコントロールすることができるようになる
さらに、今までのように、
「うるさい!」
「静かにしなさい!」
「まわりのことを考えなさい!」
などと怒らなくても、まわりに合わせた声の大きさで話したり声の大きさを自分で調整しようとしたりする子どもの姿を見ることで今までの悩みやストレスがパッとなくなります。
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【悩み解決】ADHDの子どもの「育て方の悩み」をまとめて解決したい方はこちら。
本記事の執筆者情報
私は子どもにかかわる仕事を10年以上経験してきました。
- 元小学校教師(通常学級担任、特別支援学級担任をそれぞれ2年以上経験)
- 元障害児通所支援事業所勤務(放課後等デイサービスで、未就学児から小学生までの発達障害の子どもの支援業務を2年以上経験)
- 心理大学卒業のメンタルケア心理士(心理士資格取得のためにADHDの診断基準であるDSM-5を精神医科学基礎で学習。試験では満点。)
この経験を通して、たくさんの子どもを見てきました。
急に大きな声を出す子
何回、注意されても気づけば声が大きくなる子
声の大きさを調整できずに周りから注意されておちこむ子
そして、そのような子どものお母さんから、
「子どもが声の大きさを自分でコントロールできません。なぜでしょう?どうしたらいいですか?」
と相談を受けて、その子の個性や特徴を考えながらアドバイスをしてきました。
今回の支援方法は、声の大きさをコントロールできないADHDの子どもにはどうやって支援をしたらいいのか考えて、なやむお母さんにアドバイスして、すぐにつかえて効果のあった方法を紹介します。
知らないと今より苦労します!
大丈夫ですか?
子どもは授業でみんなについていけていますか?ちょっとでも心配なら後悔する前にこちらの記事を見たほうがいいかと思います。
目次
ADHDの子どもが「声の大きさ」を調整できない理由
ADHDの子どもが「声の大きさ」を調整できない理由がこちらです。
理由
ちょうどいい声の大きさがわからない
ADHDの子どもは、まわりと同じように話していたと思ったら急に大きな声を出したり、静かにするような場面でもまわりを気にすることなく大きな声で話したりすることがあります。そして、
「静かにしてね。」
と注意しても、子どもは注意されたときだけ静かにして、またすぐに大きな声で話し始めたりすることがあります。
「うちの子もよくあるわ…。」
このような行動をしてしまうADHDの子どもの場合は、子どもが「ちょうどいい声の大きさ」がわからないからです。
「うちの子は普通に話せるときもあります。それでも、声の大きさがわからないの?」
ほかの子と同じような声の大きさで話しているように見えても、ADHDの子どもは「声の大きさを調整する」ということが苦手です。
たとえば、
「ちょうどいい音量で話してね。」
「ちょっとしずかにして。」
「もう少ししずかに。」
「少しうるさいよ。」
などの声かけをされても、ADHDの子どもは声の調整をすることがむずかしくてできないことがよくあります。
- ちょうどいい
- ちょっと
- 少し
などの、あいまいな言い方では、ADHDの子どもは理解することが苦手なので、声の大きさをうまくコントロールすることができなくなってしまいます。
あいまいな言い方をされることで、
「『ちょうどいい』ってだれにとって?ぼくではダメなの?」
「『ちょっとしずかに』って、ちょっとだけ話さなかったらいいの?」
「『少し』って何?」
などと、子どもの頭の中は「?」でいっぱいになってしまいます。
ADHDの子どもは、あいまいな言い方で声の大きさを調整するように言われても理解ができないので、またすぐに大きな声で話し始めてしまいます。そして、今度は、
「うるさい!」
と注意されるので、
「なんで!?」
「どうして!?」
と子どもの頭の中は大きな「?」でいっぱいになってしまいます。そして、子どもは注意された理由がわからないので、
「どうして…。」
と落ち込んだり、
「なんでー!」
と怒ったりあばれたりしてしまいます。
これが、ADHDの子どもが「声の大きさ」を調整できない理由です。次の項目では、そんなADHDの子どもに「声の大きさ」をコントロールさせるための対策方法について紹介します。
ADHDの子どもの「声の大きさ」をコントロールする7つの対策
ADHDの子どもの「声の大きさ」をコントロールする7つの対策がこちらです。
7つの対策方法
「伝え方」に気をつける
ADHDの子どもの声の大きさをコントロールするためには、子どもへの伝え方に気をつけることがたいせつです。
ADHDの子どもは自分で声の大きさを、
- ちょうどいい音量にする
- まわりと比較する
- 状況に合わせて調整する
ということが苦手なので、子どもが自分の声の大きさを理解できるまではしっかりとサポートしてあげましょう。
まずは、子どもが今、自分の話している声の大きさが「良い」「わるい」「ふつう」なのかを教えてあげましょう。そして、子どもがすぐに「自分の声の大きさ」に対して「良い」「わるい」「ふつう」なのかを理解できるようにするためにも、子どもにわかりやすく、そして、子どもがかんたんに理解できるように伝えることを意識しましょう。
「声のものさし」を作る
ADHDの子どもの声の大きさをコントロールするためには、子どもが自分で声の大きさをパッと見てわかるように「声のものさし」を作ることがたいせつです。
この方法は子どもに「自分の声の大きさ」が、「良い」「わるい」「ふつう」なのかをかんたんに伝えられる方法です。
「声のものさし?」
- ちょっと静かに
- 少しうるさい
- もっと小さな声で
などの、あいまいな伝え方をするのではなく、子ども専用の「声のものさし」を作って、どのくらいの「声の大きさ」がいいのかを子どもがハッキリと理解できるようにする必要があります。
声のものさしは、
- 『声の大きさ1』→1人に聞こえる声の大きさ
- 『声の大きさ2』→2人に聞こえる声の大きさ
- 『声の大きさ3』→3人に聞こえる声の大きさ
などと、声のものさしの数値を「伝える人数」や「距離」に合わせて作りましょう。
「○○ちゃん、ちょっと静かにして。」
と言われても、
「?」
だった子どもも、
「○○ちゃん、声のものさしが今『3』になってるから、『2』にしてくれる?」
と言われると、子どもは自分の声の大きさをハッキリと理解できるようになるので、自分で「声の大きさ」をコントロールできるようになります。
そのため、子どもが見てわかるように子どもに合った「声のものさし」を作ってあげましょう。「声のものさし」があれば、子どもが自分で声の大きさを確認することもできて、あなたも学校や習い事の先生などに、「うちの子の声のものさし数値です。」と伝えやすくなります。
やくそくを作る
ADHDの子どもの声の大きさをコントロールするためには、「声のものさし」を作るだけではなく、子どもとの「やくそく」を作ることもたいせつです。
約束は3つです。
3つの約束
- 言われたら「声の調整」をする
- わからないときは合図をする
- 1回目は怒らない
言われたら「声の調整」をする
「声のものさし」をつかって、
「声の大きさが今は『3』だから『2』にしようね。」
などと子どもに伝えるときは、「声の大きさをコントロールする」ことも子どもに約束させましょう。ADHDの子どもは興奮してくるとまわりが見えなくなるので、前もって約束しておくことがたいせつです。
わからないときは合図をする
「『声のものさし』って何だっけ?」
と子どもが忘れたときのために、声のものさしがわからないときはどうしたらいいのかを事前に決めておきましょう。
ADHDの子どもは、よくうっかり忘れをしてしまうことがあります。あなたと2人のときは、
「声のものさしって何だっけ?」
と聞けますが、ほかの子と一緒にいるときはすぐに対応できないかもしれません。そのようなときのために、子どもがあなたに合図で伝えられるようにしておきましょう。
たとえば、
- わからないときは頭を両手でさわる
- 困ったらすぐにママのところへ来る
など、子どもが、
「わからない!」
「どうしたらいいの?」
とパニックになる前に気づけるように対策しておきましょう。
1回目は怒らない
ADHDの子どもがうるさくしたり大きな声を出したりしていても、1回目は子どもを怒らないようにしましょう。
ADHDの子どもはわざとではなくても急に大きな声を出すこともあります。そのようなときに、
「1回目に大きな声を出すことは、しょうがないから怒らないよ。」
「注意もしないよ。」
「そのかわりママが○○ちゃんにしてほしい声のボリュームを伝えるね。」
などと子どもに伝えてあげるようにしましょう。
ADHDの子どもは急に怒られたり注意された内容を理解できなかったりするとパニックになってしまうことがあるので、1回目からすぐに子どもを怒らないようにして、
子どもが、
- 素直に聞ける
- 自分の声の大きさに気づける
ようにサポートしてあげましょう。
会話を通して声の大きさを教える
ADHDの子どもの声の大きさをコントロールするためには、会話を通して「声の大きさ」を調整する練習をすることがたいせつです。
とくに1対1での会話の場面を増やしてあげることが、子どもにとって「自分の声の大きさ」がわかりやすく、そして、調整しやすくなります。
なぜなら、ADHDの子どもは集団や複数の人との会話だと、一斉に話された内容を理解できないことや、自分の話を聞いてもらえていないと感じると「大きな声」を出して怒ったり注目を集めようとしたりすることがよくあります。しかし、1対1での会話なら、
- 話の内容を理解できる
- 自分の話を聞いてくれる
と子どもは思えるので、子どもはスムーズに話をすることができて、そして、声の大きさも2人で聞こえる程度のボリュームに調整することができるようになるからです。
子どもが2人で話すときの適切な声の大きさを理解できるようになれば、「声のものさし」をより理解できるようになるので、自分でも声の大きさをコントロールできるようになります。
こんな方法もあります♪
- 声の大きさをコントロールできるようになってほしい
- 勉強ができるようになってほしい
と考えているなら「家庭教師」を利用することで両方のなやみを解決できます。
声の大きさをコントロールすることが苦手なADHDの子どもは、塾や習い事で勉強してほしくても、集団での学習が困難なことがよくあります。家庭教師ならば、1対1で会話をしながら教えてもらえるので、子どもが1人で学習することに限界を感じているのであれば、「勉強」も「声の大きさ」も家庭教師の先生に教えてもらうようにしましょう。
参考
ADHDの子どもにおすすめの家庭教師について気になる方はこちらの記事をみてください。
まわりの状況に合わせた声の大きさを調整できるようにする
ADHDの子どもの声の大きさをコントロールするためには、子どもがまわりの状況に合わせた声の大きさを調整できるようにすることがたいせつです。
子どもが集団の中でも適切な声の大きさがわかるようになれば、子どもは自分から声のボリュームを調整できるようになります。そのためにも、「声のものさし」などを使って定期的に声かけをして集団の中での適切な声の大きさを教えてあげるようにしましょう。
大丈夫ですか?
集団の中で子どもが声の大きさを調整できるようにするためには、子どもが授業に参加できるようにすることがたいせつです。子どもが授業内容を理解して「授業に参加できる」ということは、集中して先生や友達の話を聞いている状態です。そして、発表するときもみんなに聞こえるように、話し合い活動のときは隣の人に、または、班の人だけに聞こえる声の大きさを考えながら自分で調整できている証拠です。
この毎日の積み重ねで子どもは集団の中でも声の大きさを自分でコントロールできるようになります。そのため、「授業についていけていないかも」とちょっとでも思ったのであればこちらの記事をみて今すぐ対策したほうがいいかと思います。
自分の気持ちや考えていることを上手に伝えられるようにする
ADHDの子どもの声の大きさをコントロールするためには、自分の気持ちや考えていることを上手に伝えられるようにすることがたいせつです。
自分の気持ちや考えを伝えるためには、相手に伝わるように言い方を考えることがたいせつですが、それと同じように声の大きさも重要です。
- 大きすぎる声で言えば相手にイヤな思いをさせる
- 小さすぎる声で言えば聞き取りににくくなる、伝わらない
場面が増えます。そのため、子どもには自分の考えや伝えたいことを相手にわかってもらうためには声の大きさを意識しなければいけないことを「声のものさし」を使ったり、1対1で話しているときに声のボリューム調整を意識するように教えたりしてサポートしてあげましょう。
参考
ADHDの子どもが自分の気持ちを相手に伝えることが苦手な場合はこちらの記事が参考になるので気になる方は見てください。
テンションを上げて声が大きくならないようにする
ADHDの子どもの声の大きさをコントロールするためには、子どもがテンションを上げて声が大きくならないようにすることがたいせつです。
ADHDの子どもが「声の大きさ」を調整できなくなる場面として、子どものテンションが上がってまわりが見えなくなったり自分の感情をコントロールできなくなったりして、声の大きさを調整できなくなることがあります。
たとえば、
「しずかにしなさい!」
「うるさい!」
などと注意しても、子どもがハイテンションになっているせいで、自分の感情も、声の大きさもコントロールできなくなってしまって「大きな声」を出したり「トラブル」が起きたりすることがあります。
「わかるわ…。」
ADHDの子どもは夢中で楽しんだり頑張ったりすることでハイテンションになってしまいます。そのため、子どもがハイテンションになって「声の大きさ」の調整ができなくならないように気をつけましょう。もっと詳しく、子どもがハイテンションにならないようにするための方法について知りたい方はこちらの記事をみてください。
まとめ:7つの対策方法を実践することで、ADHDの子どもの声の大きさをコントロールできるようになる
ADHDの子どもが声の大きさをコントロールできるようになるためには、まず、ADHDの子どもが「声の大きさ」を調整できない理由を知ることがたいせつです。
理由がこちらです。
ちょうどいい声の大きさがわからない
そして、ADHDの子どもの「声の大きさ」をコントロールする7つの対策がこちらです。
7つの対策
この7つの対策方法を実践することで、ADHDの子どもの「声の大きさ」をコントロールすることができるようになります。
そして、今までなら声の大きさをまわりに合わせるために注意したり怒ったりしていたのに、自分から声の大きさを調整しようとする子どもの姿を見ることで、今までの悩みがパッとなくなり、日々のストレスがスーッと軽くなります。
そのためにも、できるだけ、そっと、気づかれないように、子どもが気持ちよく次の行動に動けるように、サポートしましょう。いつもなやんで、いつも頑張っているあなたの少しでも役に立つ情報になったのなら嬉しいです。ありがとうございました。
子どもに合っていますか?
子どもは放課後等デイサービスや児童発達支援を利用していますか?利用しているならば、子どもに合った放課後等デイサービス(児童発達支援)ですか?ADHDの子どもに合った放課後等デイサービス(児童発達支援)には選び方があります。選び方が気になった方はこちらの記事を見てください。
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