うちの子はADHDです。
ADHD傾向です。
グレーゾーンです。
- 国語の漢字がぜんぜんできない…。
- もっと漢字を覚えられるようになってほしい…。
- 漢字を覚えてもキレイに書けない…。
今回はこのような悩みを解決します。
子どもが国語の漢字を覚えらなかったり何回言ってもキレイに書けなかったりして、
「どうしたらいいの…。」
と困ったり悩んだりすることってありますよね。
そこで今回は、ADHDの子どもが漢字を覚えてキレイに書けるようになる7つの方法について紹介します。
さっそく知りたい方はこちら。
今回の記事を読むことでADHDの子どもが、
- 漢字を覚えられるようになる
- キレイな文字で漢字を書けるようになる
さらに、漢字を覚えてテストで良い点をとってよろこぶ子どもの姿を見ることで今までの悩みがパッとなくなります。
本記事の執筆者情報
私は子どもにかかわる仕事を10年以上経験してきました。
- 元小学校教師(通常学級担任、特別支援学級担任をそれぞれ2年以上経験)
- 元障害児通所支援事業所勤務(放課後等デイサービスで、未就学児から小学生までの発達障害の子どもの支援業務を2年以上経験)
- 心理大学卒業のメンタルケア心理士(心理士資格取得のためにADHDの診断基準であるDSM-5を精神医科学基礎で学習。試験では満点。)
この経験を通して、たくさんの子どもを見てきました。
漢字を覚えることが苦手な子
宿題で漢字が出るとイヤがってやらない子
漢字がキレイに書けなくて、書くことをイヤがる子
そして、そのような子どものお母さんから、
「子どもが国語の漢字をどうしても覚えられません。字も汚くて何とかしたいです。どうしたらいいですか?」
と相談を受けて、その子の個性や特徴を考えながらアドバイスをしてきました。
今回の支援方法は、国語の「漢字」を覚えたり書いたりすることが苦手なADHDの子どもにはどうやって支援したらいいのか考えて、なやむお母さんにアドバイスして、すぐにつかえて効果のあった方法を紹介しています。
※国語の悩みを「まとめて解決」したい方はこちら。
知らないと今より苦労します!
大丈夫ですか?
子どもは授業でみんなについていけていますか?ちょっとでも心配なら後悔する前にこちらの記事を見たほうがいいかと思います。
目次
ADHDの子どもが国語の「漢字」が苦手な理由
ADHDの子どもが国語の「漢字」が苦手な理由がこちらです
理由
3つの感情がつよく出る
ADHDの子どもが国語の漢字の勉強をイヤがったり、覚えなかったり、キレイに書かなかったりするのは、
- 楽しくない
- 覚えられない
- 書きたくない
この3つの感情が強く出てしまうからです。
ADHDの子どもにとって漢字の勉強は「楽しくない」ことです。何かを想像しながら物語を読んだり、声に変化をつけて楽しみながら音読をしたりする国語の学習とはちがい、漢字は黙々と淡々と覚えたり書いたりしなければいけません。
そのため、楽しくないことをコツコツと続けることが苦手なADHDの子どもにとって「漢字」は苦手になりやすいです。そして、「ひらがな」や「カタカナ」とはちがい、「漢字」は覚える量がたくさんあって「覚えられない」こともADHDの子どもが漢字の勉強が苦手な理由です。
国語の授業では、毎日のように新しい漢字をドンドン覚えさせられます。
子どもが覚えていなくても、次の新しい「漢字」を習います。
※小学校で習う漢字の種類や量について知りたい方はこちら→文部科学省「学年別漢字配当表」
そして、漢字をがんばって覚えて書いても、ちょっとでも間違えたり、キレイに書けていなかったりすると、「チェック」や「直し」が増えます。
漢字を覚えられないせいで、
「間違いのチェックがある…。」
漢字をキレイに書けないせいで、
「また直しがある…。」
このくり返しでADHDの子どもは漢字を「書きたくない」と思ってしまいます。
これがADHDの子どもが国語の「漢字」が苦手な理由です。つぎの項目では、そんなADHDの子どもにするべき支援方法について紹介します。
ADHDの子どもが漢字を覚えてキレイに書けるようになる7つの方法
ADHDの子どもが漢字を覚えてキレイに書けるようになる7つの方法がこちらです。
7つの方法
1つずつ説明します。
漢字を読めるようにする
ADHDの子どもが漢字を覚えてキレイに書けるようになるためには、まずは子どもが漢字を読めるようにすることがたいせつです。
「漢字は書いて覚えるしかない!書きなさい!」
と子どもに言わないようにしましょう。
それだと、子どもはずっと知らない文字を書き続けることになるので、ずっとわからないままになってしまいます。そして、
「漢字はやりたくない!」
「楽しくない!」
「漢字はキライ!」
と子どもは考えて、漢字を覚えることができなくなってしまいます。
まずは、ADHDの子どもが漢字を覚えられるように、何度も漢字の形を見て書く練習をするのではなく、子どもが覚えようとしている漢字を読めるようにサポートしてあげましょう。
「今日○○ちゃんが学校で習った漢字をママが当てるね♪」
「この漢字は何て読むでしょう?」
など、楽しく話したりクイズにしたりすることで子どもがかんたんに漢字を読めるようになります。
なぞって成功体験をふやす
ADHDの子どもが漢字を覚えてキレイに書けるようになるためには、子どもに漢字の学習をするときはなぞって成功体験をふやすことがたいせつです。
ADHDの子どもが漢字を読むことができるようになったら次は、
「ぼくはこんなにキレイに書けるんだ♪」
「キレイに漢字が書けてほめられた♪うれしい♪」
と思える成功体験が必要です。そのためには、「正しい漢字」をなぞることから始めるようにしましょう。
まずは「正しい漢字」のお手本をママが書いてあげましょう。
いつもは1人でイヤイヤしていた漢字練習を、ママと一緒にすることで子どもは楽しくなるので、ママの書いた文字を子どもがなぞったあとに、お手本や教材などの漢字をなぞらせるようにしましょう。そして、
「キレイに書けたね♪」
と子どもをほめてあげましょう。
「ていねいに書けば、ぼくはこんなにキレイに書けるんだ♪」
と子どもが思えるようになる気持ちが、ADHDの子どもが漢字を覚えてキレイに書けるようになる「きっかけ」になります。
いろいろな書き方をして覚えさせる
ADHDの子どもが漢字を覚えてキレイに書けるようになるためには、いろいろな漢字の書き方をして子どもが覚えられるようにすることがたいせつです。
漢字をなぞって書けるようになったら、次は、子どもが漢字を書くことに飽きて書けなくなる前に、いろいろな書き方をして漢字を覚えられるように支援しましょう。
いろいろな書き方
- 指で空に書く
- 手をグーにして大きく書く
- 首を振って頭で書く
- 足で地面に書く
- 書き順を耳で聞きながら書く
ちなみに、私が出会った子どもで、
新聞紙を丸めて剣にして、斬るようにしながら体を動かして漢字を覚える子
漢字を3文字書いたらカベにタッチして、また3文字書いたらカベにタッチ。4回カベにタッチしたら覚えられる子
など、自分に合った楽しめる方法で漢字の練習をするほうがスムーズに漢字を覚えられるADHDの子どもがいました。
このように、子どもによって漢字の覚えやすい方法がちがうので、紙や、ノート、漢字ドリルなどに「とりあえず書かせる」だけにはせず、いろいろな書き方をして、子どもに合った漢字の覚え方を見つけてあげるようにしましょう。
枠内に書けるようにする
ADHDの子どもが漢字を覚えてキレイに書けるようになるためには、漢字を枠内に子どもがしっかりと書けるようにすることがたいせつです。
ADHDの子どもが漢字を覚えられるようになったら、次は漢字をキレイに書けるようになるために、枠内に文字(漢字)を書けるようになる必要があります。
しかし、
枠の中に漢字を書く。しかも、バランス良く漢字を書く。
となると、ADHDの子どもにとっては大変です。そのため、いきなり小さな枠から書きはじめるのではなく、大きな枠から練習を始めて、すこしずつ小さな枠の中にも書けるようにスモールステップで漢字を枠の中に書けるように支援しましょう。
- 専用の枠
- 大きな枠
- 小さな枠
- みんなと同じ枠
step1「専用の枠」
まずは、ADHDの子ども専用の枠を作るために、子どもが書いた漢字の中で1番キレイに書けている文字を選びます。
その文字に、下の図にような、点線で枠を作ってあげましょう。
そして、ADHDの子どもが、
「キレイな文字のバランスはコレなんだ♪」
と自分の書いた文字を見て思えるようにしましょう。
step2「大きな枠」
大きな枠を用意して、その枠の中にバランスよく漢字を書けるように練習させましょう。
step3「小さな枠」
小さな枠で漢字をていねいに、そして、キレイに書けるようにしましょう。
step4「みんなと同じ枠」
みんなと同じ枠でも漢字をキレイに書けるようにサポートしましょう。
上記のように、ちょっとずつADHDの子どもが枠内に漢字をキレイに書けるようなスモールステップの課題を用意して支援してあげることがたいせつです。
このようにすることで、ADHDの子どもが漢字を覚えることや書くことに苦手意識を持つことなく、国語の漢字を覚えてキレイに書けるようになります。
補足
必要であれば、担任の先生に相談してみましょう。ちなみに、こちらの記事では、字が汚いADHDの子どもへの「書き方練習法」を紹介しているので今回の記事と合わせて読むことをオススメします。
漢字の確認テストを毎日する
ADHDの子どもが漢字を覚えられるようにするためには、漢字の確認テストを毎日することがたいせつです。
「毎日?!子どもがイヤがるわ!」
漢字の確認テストといっても1問~3問など、子どもが簡単にできてすぐに終わるような漢字の問題を毎日するようにしましょう。
「そんなちょっとでいいの?」
「ちょっとだけ」と子どもが思えるぐらいの漢字の問題を出すことがたいせつです。
ADHDの子どもは
- イヤ
- やりたくない
- キライ
と思ってしまうと苦手意識をもって勉強をしなくなります。そのため、
「ちょっとだけだ。」
「すぐにおわる。」
「かんたん♪」
と子どもが思えるような量の漢字テストを毎日するようにしましょう。
すこしの量の漢字テストをいつもすることで、ADHDの子どもが漢字を覚えられるようになるだけではなく、漢字を書くことに対して抵抗がなくなるようになります。そして、気づけば子どもの覚える漢字の量もグッと増えるようになります。
集中して漢字学習をさせる
ADHDの子どもが漢字を覚えてキレイに書けるようになるためには、漢字学習を子どもにさせるときは、集中して勉強にとりくめるようにすることがたいせつです。
集中して漢字学習に取り組まなければ子どもは漢字を覚えることができません。さらに、漢字をキレイに書くこともできません。
しかし、ADHDの子どもは特性として「不注意」があり、
- やりたくないこと
- 苦手なこと
- イヤなこと
などは、ちょっとしたことで集中が切れてしまいます。
ADHDの特性について知りたい方はこちら→NCNP病院 国立精神・神経医療研究センター
そのため、ADHDの子どもの特性を理解して、子どもが集中を切らさずに漢字の学習ができるようにしましょう。
参考
ADHDの子どもが集中して勉強ができるようになる方法がこちらです。
支援方法
- 勉強を「かんたん」と思わせる
- 学習計画をつくる
- 苦手な勉強をみつける
- 集中して勉強できる環境をつくる
- 忙しければ「習い事」を頼る【注意点あり】
この5つの方法を実践することでADHDの子どもが集中して漢字学習ができるようになります。もっと詳しく5つの方法について知りたい方はこちらの記事を見てください。
勉強ができる環境を用意する
ADHDの子どもが漢字を覚えてキレイに書けるようになるためには、子どもが漢字の勉強に最後まで集中して取り組める学習環境を用意することがたいせつです。
ADHDの子どもは、
- イヤなこと
- やりたくないこと
などは、すぐにはやる気がなくなって頑張ることができません。
とくに勉強の場合はやる気スイッチを自分で入れることがなかなかできません。しかし、自分でやる気スイッチを入れることができないからといって、
「はやく勉強しなさいよ。」
「漢字の勉強はやったの?」
「漢字覚えた?」
などと子どもに勉強をさせようと思って声かけをすると、
「イヤだ!」
「うるさい!」
「やりたくない!」
などと、子どもが衝動的にかんしゃくを起こして怒りだしたり、暴れたり、反抗したりすることがあります。
「よくあるわ…」
そうならないためにも、子どもに声かけをしなくても、すぐに漢字学習(勉強)へのやる気スイッチが入るような学習環境を用意することがたいせつです。
参考
ADHDの子どもが勉強できる学習環境をつくるためには、
支援方法
- 学習スイッチをおす
- 視覚支援をする
- 聴覚支援をする
- 時間の管理をする
- 【重要】集中できるようにする
この5つの方法を実践することでADHDの子どもに必要な学習環境を用意することができて、子どもがスムーズに漢字の勉強をするようになります。もっと詳しく5つの方法について知りたい方はこちらの記事を見てください。
こんな方法もあります
ADHDの子どもが勉強できる環境を用意するために「習い事」を利用することもオススメです。
習い事ならば「決められた時間に勉強をする」という習慣ができます。そして、ADHDの子どもでも、苦手意識をもつことなく自分から学習スイッチを入れられるようになります。そのためにも、子どもに合った学習系の習い事を見つけることをオススメします。
参考
ADHDの子どもにオススメの学習系の習い事について紹介した記事がこちらです。たくさんの保護者が利用している習い事を紹介しているので悩むなら見ないと損かもしれません。
まとめ:7つの方法を実践することで、ADHDの子どもが漢字を覚えてキレイに書けるようになる
ADHDの子どもが国語の漢字を覚えてキレイに書けるようになるためには、まず、ADHDの子どもが国語の「漢字」が苦手な理由について知ることがたいせつです。
理由がこちらです。
3つの感情がつよく出る(楽しくない・覚えられない・書きたくない)
そんなADHDの子どもが国語の漢字を覚えてキレイに書けるようになるためには、
7つの方法
この7つの方法を意識して実践することで、ADHDの子どもが国語の漢字を覚えられるようになってキレイな文字で書けるようになります。
さらに、漢字を覚えてテストで良い点をとってよろこぶ子どもの姿を見ることで、今まで困っていた悩みがパッとなくなり、日々のストレスがスーッと軽くなります。
そのためにも、できるだけ、そっと、気づかれないように、子どもが気持ちよく次の行動に動けるように、サポートしましょう。いつもなやんで、いつも頑張っているあなたの少しでも役に立つ情報になったのなら嬉しいです。ありがとうございました。
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