うちの子はADHDです。
ADHD傾向です。
グレーゾーンです。
- 支援学級のあるあるが知りたい…。
- 支援学級がどんなところなのか知りたい…。
- 子どもを支援学級へ入れたいと思うけれど支援学級のことがよくわからない…。
- 支援学級について子どもに教えたいけれどうまく教えられない…。
今回はこのような悩みを解決します。
子どもを支援学級へ入れるか悩んだときに、
支援学級がよくわからない
担任に聞いてもいまいちわからない
自分で支援学級について調べてもむずかしくてわからない
と思って、
「どうしたらいいの…。」
と困ることってありますよね。
とくに担任から支援学級を勧められたときに、支援学級について「担任から説明されてもよくわからない」ことがあると思います。
それは、普通学級の担任の経験しかない先生だと支援学級についてよくわかっていない可能性があるからです。
さっそく知りたい方はこちら。
今回の記事を読むことで、
- 小学校の「支援学級あるある」がわかる
さらに、「支援学級あるある」を知ることで、支援学級がどんなところなのか今までよりもハッキリとイメージができるようになります。そして、子どもには支援学級が合っているのかをしっかりと考えられるようになることで、いつも悩んでいたあなたの気持ちもスーッと軽くなります。
本記事の執筆者情報
私は子どもにかかわる仕事を10年以上経験してきました。
- 元小学校教師(通常学級担任、特別支援学級担任をそれぞれ2年以上経験)
- 元障害児通所支援事業所勤務(放課後等デイサービスで、未就学児から小学生までの発達障害の子どもの支援業務を2年以上経験)
- 心理大学卒業のメンタルケア心理士(心理士資格取得のためにADHDの診断基準であるDSM-5を精神医科学基礎で学習。試験では満点。)
それでは、支援学級あるあるについて詳しく紹介します。
※ほかにも支援学級への入級について悩みがあるならこちらの記事でまとめて解決できます。→「普通学級と支援学級で迷ったときの解決法」
知らないと今より苦労します!
大丈夫ですか?
子どもは授業でみんなについていけていますか?ちょっとでも心配なら後悔する前にこちらの記事を見たほうがいいかと思います。
目次
- 1 支援学級の「あるある」を知っていると安心材料がふえる
- 2 支援学級あるある
- 2.1 学年も学力もバラバラな子どもたちの担任をしていると、参観日のときに苦労する
- 2.2 支援学級に在籍する子どもにやさしく接してくれる子は多い。何かトラブルになりそうだとすぐに教えてくれる。そして、感謝する
- 2.3 集団行動をイヤがる子どもが、交流学級の行事に意欲的に参加しようとしたことに喜ぶも、いざ、連れていくと数秒でイヤがり「え?!」と戸惑う
- 2.4 交流学級の時間割が急に変更されると、対応にこまる
- 2.5 子どもとのコミュニケーション能力だけではなく、教師間でのコミュニケーション能力も試される
- 2.6 学校それぞれのクラス名のちがいに初めはおどろく。そして、覚えられない
- 2.7 保護者・交流学級担任と3人で面談をするときは、いつもとちがう緊張感がある
- 2.8 交流学級で給食を食べるときは「にぎやかな環境」に圧倒される
- 2.9 宿題の「丸付け」に対して気合いを入れることがない
- 2.10 運動会は忙しくてヘトヘトになる
- 2.11 チョークの減りが、普通学級担任よりもとっても遅い
- 2.12 いろいろな先生のクラス経営が見られる
- 2.13 週案通りにいったら奇跡
- 2.14 体育の授業のあとは大変
- 2.15 名前がわからないけれど見たことある子が増える
- 2.16 通常学級の子が時間割を見て「何コレ?」と言う
- 2.17 教室が広く使えていろいろ置ける
- 2.18 給食の時間は日によって、にぎやかさが変わる
- 2.19 掃除時間に見失うと、見つけるのが大変
- 2.20 学校の隅々までわかる
- 2.21 いつも帰るときは忘れ物がないか「声かけ」「確認」は必須
- 2.22 訓練系はしっかりと伝える
- 2.23 廊下を通る人影が見えると、たまに授業が中断する
- 2.24 はじめて学習する内容の国語の音読は他の子も聞き入る
- 2.25 金曜日の下校には気をつかう
- 2.26 急に静かになると先生同士で目を合わせる
- 2.27 休憩時間に運動場(グラウンド)で子どもをさがすのは大変
- 2.28 図工の作品によって制作にかかる時間の差が激しい
- 3 まとめ:小学校の「支援学級あるある」を知ることで、支援学級がどんなところなのか今までよりもハッキリとイメージできるようになる
支援学級の「あるある」を知っていると安心材料がふえる
支援学級の「あるある」を知ることは、
- 支援学級ってどんなところ…?
- 普通学級と支援学級のちがいって何…?
- 子どもは支援学級でどんなことをしているの?
などの悩みをわかりやすく、そして、楽しくパッと解決することができるので、
- 担任に支援学級について説明されたけどよくわからない…。
- ネットや本で調べたけどむずかしくてわからない…。
- 子どもに支援学級のことを教えたいけれどうまく教えられない…。
と悩むあなたに「支援学級について知るスタートの第1歩目」として支援学級あるあるはおすすめです。
そして、支援学級あるあるを知っていれば、支援学級についてイメージができるようになるので、
- 子どもを支援学級へ入級させようと考えるとき
- 子どもを支援学級へ入級させるとき
- 子どもがイヤがらずに支援学級へ入れるようにするとき
の安心材料として役立つようになるので「支援学級あるある」を今から知っておいて損はありません。
それでは、支援学級あるあるを次の項目から具体的に1つずつ紹介します。
支援学級あるある
小学校の「支援学級あるある」がこちらです。
※紹介している「支援学級あるある」は私のインスタで定期的に投稿している内容です。
支援学級あるある
- 学年も学力もバラバラな子どもたちの担任をしていると、参観日のときに苦労する
- 支援学級に在籍する子どもにやさしく接してくれる子は多い。何かトラブルになりそうだとすぐに教えてくれる。そして、感謝する
- 集団行動をイヤがる子どもが、交流学級の行事に意欲的に参加しようとしたことに喜ぶも、いざ、連れていくと数秒でイヤがり「え?!」と戸惑う
- 交流学級の時間割が急に変更されると、対応にこまる
- 子どもとのコミュニケーション能力だけではなく、教師間でのコミュニケーション能力も試される
- 学校それぞれのクラス名のちがいに初めはおどろく。そして、覚えられない
- 保護者・交流学級担任と3人で面談をするときは、いつもとちがう緊張感がある
- 交流学級で給食を食べるときは「にぎやかな環境」に圧倒される
- 宿題の「丸付け」に対して気合いを入れることがない
- 運動会は忙しくてヘトヘトになる
- チョークの減りが、普通学級担任よりもとっても遅い
- いろいろな先生のクラス経営が見られる
- 週案通りにいったら奇跡
- 体育の授業のあとは大変
- 名前がわからないけれど見たことある子が増える
- 通常学級の子が時間割を見て「何コレ?」と言う
- 教室が広く使えていろいろ置ける
- 給食の時間は日によって、にぎやかさが変わる
- 掃除時間に見失うと、見つけるのが大変
- 学校の隅々までわかる
- いつも帰るときは忘れ物がないか「声かけ」「確認」は必須
- 訓練系はしっかりと伝える
- 廊下を通る人影が見えると、たまに授業が中断する
- はじめて学習する内容の国語の音読は他の子も聞き入る
- 金曜日の下校には気をつかう
- 急に静かになると先生同士で目を合わせる
- 休憩時間に運動場(グラウンド)で子どもをさがすのは大変
- 図工の作品によって制作にかかる時間の差が激しい
1つずつ説明します。
学年も学力もバラバラな子どもたちの担任をしていると、参観日のときに苦労する
支援学級の担任をしていると、学年も学力もちがう子どもの担任になることがあります。
そうなると、参観日の日には、みんなができる内容の授業を考えなければいけないので、いつも、「何をしよう…。」と考えます。
支援学級に在籍する子どもにやさしく接してくれる子は多い。何かトラブルになりそうだとすぐに教えてくれる。そして、感謝する
支援学級の担任をしていると、「支援学級に在籍している子」とわかっている子どもたちは、やさしく子どもたちに対して接してくれます。
支援学級の子どもが、何かトラブルになりそうになると全速力で知らせに来てくれます。そして、すぐに子どもへ対応することができるので、子どもが暴れたり、泣いたり、叫んだりするまえに止めることができて、教えてくれた子にとっても感謝することが何度かあります。
それぐらい支援学級に在籍している子どもに対して優しく接してくれる普通学級の友達は多くいます。
集団行動をイヤがる子どもが、交流学級の行事に意欲的に参加しようとしたことに喜ぶも、いざ、連れていくと数秒でイヤがり「え?!」と戸惑う
支援学級の担任をしていると、交流学級に参加できる内容(授業や行事)などがあれば、できるだけ子どもを参加させたいと思います。しかし、集団行動が苦手な子どもは、交流学級へ行くことをイヤがって参加できないことがよくあります。
そんな子どもが、意欲的に交流学級へ行こうとしたときは担任も嬉しい気持ちになります。
しかし、子どもを交流学級へ連れていくと、数秒で教室を出て行こうとしたり、イヤがったりすることがあるので、そのときは、「え!?」と驚きと戸惑いを同時に感じます。
交流学級の時間割が急に変更されると、対応にこまる
支援学級の担任をしていると、交流学級の時間割が変更になることがあります。そして、予定していた交流学級での時間割が急遽変更されると、対応することに困るときがあります。
子どもが素直に聞いてくれるタイプなら問題ないですが、急な予定変更に対応できない子どもだと、
「○○の授業が2時間目から4時間目に変わったよ。」
「体育が運動場から体育館に変わったよ。」
などと、予定が急に変わると、
「なんでーー!!」
「イヤだ!!」
となってしまうので、説得するまでに時間がかかるので対応に困ることがあります。
子どもとのコミュニケーション能力だけではなく、教師間でのコミュニケーション能力も試される
支援学級の担任をしていると、通常学級担任とはちがい、さまざまな先生と関わることが多くあります。
授業中も、「知的」「情緒」「発達」など、クラス数が多く設置されている学校であれば、そのクラスの子どもたちと一緒に授業をすることもあるので、そのときは他の先生ももちろんいるので、授業中でも子どもだけではなく、他の先生ともコミュニケーションをとります。
また、担任の数も学校によってちがったり、補助の先生もいたりするので、日頃から、子どもとのコミュニケーションだけではなく教師どうしでもコミュニケーションをたくさんとります。
さらに、交流学級の担任の先生とも関わりがあるので、担任として受け持つ子どもの交流学級のクラスが多くなればなるほどコミュニケーション能力もさらに必要になります。
学校それぞれのクラス名のちがいに初めはおどろく。そして、覚えられない
支援学級の担任をしていると、他の学校の支援学級の子どもたちと関わることがあります。
お住まいの地域や学校にもよってちがいますが、支援学級に在籍している子どもたちどうしの交流の場として、支援学級の子どもたちだけの運動会や6年生を送る会、そのほかの行事などで集まることもあります。また、先生の研修も、支援学級の担任だけの研修などがあります。
そのような自分の学校以外の支援学級に在籍する子どもや先生と交流をしたときに、初めに驚くことが「クラス名」がバラバラであることにビックリします。
たとえば、
「あおぞら学級」「あすなろ学級」「なかよし学級」「ひまわり学級」「ふれあい学級」など、いろいろあります。
そして、クラス名の違いに驚くだけではなく、
「ちがう!あすなろ学級!」
などとクラス名を覚えることができず、子どもに話しかけたときにピシャリと怒られることがあります。
保護者・交流学級担任と3人で面談をするときは、いつもとちがう緊張感がある
支援学級の担任をしていると、保護者と面談をするときに、1対1の面談だけではなく、
- 支援学級担任
- 交流学級担任
- 保護者
の3人で面談をすることがあります。
このときは、支援学級担任をしていると、
保護者とは何度も連絡を取って信頼関係ができている
交流学級担任の先生とは同僚ということもあってよく知っている
ので、それぞれ対応の仕方や日頃の接し方がちがうので、3人がそろって話をすると、なんだかギクシャクします。
これは保護者も同じで
支援学級担任とはよく話している
交流学級担任とはあまり話さないので緊張する
という状態になります。また、交流学級担任も同じような感じになるので、みんながいつもとちがう感じになって独特な変な緊張感が発生します。
交流学級で給食を食べるときは「にぎやかな環境」に圧倒される
支援学級の担任をしていると、給食を教室(支援学級)で子どもと食べるときと、交流学級に子どもと一緒について行って食べるときがあります。(学校によっては、子どもだけを交流学級で食べさせて担任は職員室で食べるところもあります。)
支援学級の子どもたちだけで給食を食べるときは、人数が少なく(もともと支援学級に在籍する子どもが少なかったり、交流学級で給食を食べる子がいて支援学級のクラスにいなかったりするから)元気な空間の中にも静けさがちょっとだけあります。
しかし、週に数回だけ交流学級へ子どもと一緒に給食を食べに行くと、通常学級は子どもの人数も多く、活気がすごくあって、さらに、子どもたちも、
- 支援学級の友達が来てくれた
- 支援学級の先生が来てくれた
と思っていつも以上にテンションが上がるので、元気いっぱいのにぎやかな給食時間になります。
そのため、いつもの支援学級で食べる少人数の「いつもの慣れた給食時間の雰囲気」とはガラッとちがって、子どもたちのパワーに圧倒されることがあります。
宿題の「丸付け」に対して気合いを入れることがない
支援学級の担任をしていると、気合いを入れることなく宿題の「丸付け」をすることができます。
なぜなら、支援学級の担任の場合は、受け持つ子どもが数人になるので、宿題の丸付けの数も少なく、すぐに終わらせることができるからです。さらに、子どもが宿題でまちがった箇所についても、すぐに教えてあげることができるので気合いを入れることなく宿題の丸付けはこなすことができます。
しかし、これが普通学級の担任の場合だと、受け持つ子どもが数十人になるので、1つの宿題に対しての丸付けの量がグンッと増えるので、気合いを入れて丸付けをしなければいけなくなってしまいます。
【おまけ】
支援学級の担任の場合は「丸付け」に気合いを入れませんが、その代わりに連絡帳に気合いを入れます。
なぜなら、支援学級の担任の場合は、子どもの様子について細かく連絡帳に書いて保護者に伝えるからです。そのため、子どもの様子を見ながら、連絡帳に書くタイミングを見つけて気合いを入れて短時間で書かなければいけません。
運動会は忙しくてヘトヘトになる
支援学級の担任をしていると、運動会が大変になります。とくに、複数の他学年の子どもの担任をしている場合は、忙しくてヘトヘトになります。
ただでさえ運動会は、いつもの学校の環境とはちがうことでテンションが高くなりがちな子どもたちを落ちつかせながら運動会に参加させなければいけません。
学年のちがう子どもを複数、担任をしていると、通常学級の担任の先生とはちがって、それぞれの担任をしている学年の種目に関わらなければならず、子どもの出場回数も多くなってバタバタします。
そして、運動会がおわったあとはヘトヘトになります。
しかし、それと同時に、子どもが苦手な「環境の変化」や、運動会という「集団に合わせた行動」を頑張ってやり遂げた子どもたちの姿を見ることがで、ヘトヘトの疲れがすぐに吹っ飛んで達成感だけが残ります。
チョークの減りが、普通学級担任よりもとっても遅い
支援学級の担任をしていると、チョークの減りが普通学級担任よりもとっても遅いです。
なぜなら、支援学級の担任をしていると黒板を使って授業をすることが少ないので、チョークを使うタイミングがないからです。
支援学級に在籍している子どもは人数もすくないので、教えるときにわざわざ黒板を使うよりも、となりで子どもが、
見やすいように
理解しやすいように
ノートやワーク、プリントなど、子どもと一緒のものを使って教えたり、そばで直接教えたりすることのほうが多くなります。また、集中が続かない子どものためにも黒板で授業をしてまわりに気を取られないように視界を制限するために、そばで勉強を教えたほうが子どもの学習理解が深まるからです。
ノート指導なども隣で一緒のノートを使って子どもに教えるほうが、子どもの理解が深まるので、自然と黒板を使わずに子どものそばで教えることが多くなります。
そして、学年のちがう複数の子どもを担任すると、黒板を使ってしまうと、学習内容のちがう子どもたちは黒板に書かれた内容が気になって勉強に集中できなくなってしまうこともあるので、支援学級では黒板をほとんど使わなくなってしまうこともあります。そのため、チョークの減りも遅くなります。
いろいろな先生のクラス経営が見られる
支援学級の担任をしていると、さまざまな先生のクラス経営を学べます。複数の子どもの担任をしていると、いろいろなクラスに交流学級として教室に入ります。
そのときに、
「○○先生のクラスはこんな感じなんだ。」
「△△先生は掲示物に力を入れているな~。」
「□□先生の板書は視覚支援がたくさんあってわかりやすいな~。」
などを学ぶことができます。
これは支援学級担任ならではの特権です。
普通学級の担任だと、ほかの先生のクラス経営や学習スタイルを見たくても見ることがなかなかできません。授業研究(先生の参観日みたいな感じ)は、教室に入って授業を見ることができますが、その場合はしっかり事前準備をされた「授業」&「教室整備」の内容なので、本来の様子とはちょっとちがいます。
しかし、ほかの先生の日頃の授業スタイルや学級経営の方法を支援学級の担任は堂々と見ることができます。
週案通りにいったら奇跡
教師をしていると毎週「週案」を作成します。※週案は、毎日の週予定です。
時間割を考えて、その時間に学習する内容を記入したり、会議や出張などの予定を書いたりします。
支援学級の担任をしていると、予定として作った週案を、1週間、予定通りにこなすことができたら奇跡です。
なぜなら、支援学級では授業をしていても、子どもの気分によっては授業ができないこともあるので、急遽、授業内容を変えることがあります。
ほかにも、複数の他学年の子どもの担任をしていると、それぞれで学習の内容を考えていてもどこかでズレたり、交流学級の時間割が変更になれば、その対応をするために時間割や授業内容を変更することもあります。そのため、予定通りの1週間を過ごすことができたときは「奇跡(キセキ)」です。
体育の授業のあとは大変
支援学級の担任をしていると体育の授業のあとはなかなか大変です。
なぜなら、
- 体育が終わっても運動場(体育館)からなかなか教室へ戻ってこない
- 次の授業までに着替えを済ませられない
- 体育でテンションが上がったまま教室へ帰ってくるので対応が大変
- 体育は友達とのトラブルも多くなるので、ケンカになれば次の授業までに納得させて解決しなければいけない
など、いろいろな対応をしなければいけないので、なかなか大変です。
しかし、体育で体を動かして適度にストレスを発散してもらわないと、それはそれで困るので、体育の授業はちょっと大変ですが必要な授業時間です。
名前がわからないけれど見たことある子が増える
支援学級の担任をしていると「名前がわからないけれど見たことある」子どもが増えます。
普通学級の担任の場合は、
自分のクラスの子ども
↓
自分の担任をしている学年の子ども
↓
各学年で目立っている子ども
の順番で顔と名前を覚えていきます。
しかし、支援学級の担任の場合は、
自分のクラスの子ども
↓
支援学級(他学級)の子ども
↓
交流学級の子ども&各学年で目立っている子ども
という順番で子どもの顔と名前を覚えます。
支援学級の担任の場合は、担任をしている子どもが他学年でたくさんの学級に所属している場合は、それぞれの交流学級に子どもと一緒に行くので、いろいろな子どもと出会うことになります。
そのため、「顔は見たことある…けど、名前が出てこない。」という状況が、
- 休み時間
- 廊下でのすれ違い
- 運動場
- 放課後
などでよく起こります。
通常学級の子が時間割を見て「何コレ?」と言う
支援学級の担任をしていると、ときどき通常学級(普通学級)の子どもが、支援学級のクラスに休み時間や掃除時間などに来てくれます。(特に交流学級の子ども)
そして、支援学級は通常学級と時間割がちがうため、国語や生活の授業がいっぱいあったり、学校によって呼び方のちがう授業(自立、遊び、○○タイムなど)があったりします。
そのため、交流学級の子どもたちが、支援学級にある時間割表を見て、「何これ?」や「生活がいっぱいある」「○○って何?」や「あれ?2時間目は算数だよ。」と、自分の知らない授業があったり、ちがう授業があったりすることに疑問をもって質問してくることがあります。
教室が広く使えていろいろ置ける
支援学級の担任をしていると、普通学級とはちがい、子どもの数が少ないので教室を広々と使えます。そのため、
- ランドセル
- 絵の具セット
- 習字道具
- 鍵盤ハーモニカ
- 子どもの掲示物
などの置き場所を30人学級のような普通学級とはちがって、気にせず余裕をもって管理できます。
そのため、教室を広く使えて、いろいろな物(教材やプリント、「とりあえず置いておこう」と思った物など)が置けるので、普通学級とはちがって「どこに置こう?」と思うことがあまりありません。
給食の時間は日によって、にぎやかさが変わる
支援学級の担任をしていると、給食時間に子どもの人数が変わることがあります。
なぜなら、支援学級に在籍している子どもが、そのまま支援学級で給食を食べることもあれば交流学級へ行って給食を食べることがあるからです。
学校によっては交流学級で給食を食べることができる子は交流学級で食べたり、曜日よって支援学級で食べる、交流学級で食べる日を決めたりしているところ、児童の実態やその日の状態によってどちらで食べるかを担任が判断するところもあります。
そのため、支援学級の給食時間は日によって人数が変わるので、にぎやかさが変わります。
掃除時間に見失うと、見つけるのが大変
支援学級の担任をしていると、掃除時間に子どもを見失うことがあります。掃除時間は担任も子どもたちと一緒に掃除をします。
掃除をしながら、子どもに掃除の仕方を教えたり掃除をして欲しい場所を伝えたりします。また、掃除時間は学校のいろいろな場所を、それぞれの学年が掃除をするので、子どもがたくさん色々なところにいます。そのため、ふらふら~っと、勝手にどこかへ子どもが行ってしまうと、子どもを探すことが大変になります。
学校の隅々までわかる
支援学級の担任をしていると、子どもが興味・関心のあるところに好き勝手行動したり、急に怒りだして学校のどこかへ行ったりすることがあるので、そのたびに、子どもと一緒に学校を探検するかのようについて行ったり、子どもがどこへ行ったのか探したりすることが増えます。
そして、気づけば、
校舎裏にはこんな物がある
体育館へ行ける道はいろいろある
○年生の廊下には、今、△△を掲示してある
保健室の掲示物が変わっている
など、ちょっとした変化や意外な場所などに気づくことがあります。
いつも帰るときは忘れ物がないか「声かけ」「確認」は必須
支援学級の担任をしていると、下校のときは持ち物の忘れ物がないかどうかをしっかりと確認しなければいけません。
「忘れ物がないように帰ってね。」
「忘れ物がないか見てね。」
「今日は○○を持って帰ってね。」
と声かけだけで終わると、かなりの確率で忘れ物をします。
そのため、いつも下校のときは「声かけ」と合わせて子どもが忘れ物をせずに帰っているかどうかを、目で見て「確認」することを忘れないように気をつけます。
訓練系はしっかりと伝える
支援学級の担任をしていると、避難訓練(地震・火災・不審者など)のときは、「今日(明日)は避難訓練がある」ということを子どもたちにしっかりと伝えます。
支援学級に在籍する子どもは、いつもと違う行動を取らなければいけないときは、どうしてもテンションが上がったり、パニックになったり、集団で行動することをイヤがったりしてしまうので、事前にしっかりと伝えるようにします。
※たまに「いつ訓練が始まるのかを子どもに内緒にするパターン」を学校によってはするときがあります。そのようなときは、子どもの実態に合わせて要相談になります。
廊下を通る人影が見えると、たまに授業が中断する
支援学級の担任をしていると、授業中に廊下を通る人影が見えると、たまに授業が止まってしまいます。
知っている先生、仲の良い友達などがパッと廊下に見えると、授業中でも子どもがそっちに興味・関心が向いて、チラッと見て授業にまた集中するのではなく、ダダッと廊下にいる人に向かって行ったり、大きな声で声をかけたりすることがあります。
そのため、子どもよりも先に人影を見つけたときは、子どもが気づかないように視線をこっちへ向けるように工夫をすることがあります。
はじめて学習する内容の国語の音読は他の子も聞き入る
支援学級の担任をしていると、授業中にいろいろな学年の子どもが勉強をしています。
交流学級で勉強をする子どももいれば、支援学級で先生と一緒に勉強する子どもなどさまざまです。
そして、支援学級で勉強をする場合は、ほかの学年の子どもも勉強をしているので、どんな授業をしているのか聞こえてくることがよくあります。
そのようなときに、国語の勉強で新しい内容を先生が音読をしていると、他学年の子どもも、自分の勉強をしながらも音読(話の内容)が気になって聞いてしまうときがあります。とくに物語文のときは聞き入ってしまいます。
金曜日の下校には気をつかう
支援学級の担任をしていると、金曜日(週末)の下校には気をつかいます。
なぜなら、休みの日を挟んだあとの登校日は、学校へ行くことをイヤがる子どもが多いからです。
さらに、金曜日にイヤな気持ちで下校をさせてしまうと、月曜日に登校する気持ちがガクッと下がってしまいます。
そうならないためにも、月曜日に子どもがスムーズに学校へ来ることができるように、授業の予定を伝えたり、給食の話をしたり、休み時間のすごし方を決めたりして、子どもが月曜日に楽しみをもてるように工夫します。
急に静かになると先生同士で目を合わせる
支援学級の担任をしていると、子どもたちが急に静かになって勉強の集中モードに入るときがあります。
支援学級では、さまざまな学年の子や、子ども1人ひとり違った学習内容の勉強をします。
そのため、みんながそれぞれの勉強をしているときに物音がまったくしない「静かな時間」というのはなかなかありません。
しかし、ときどき子どもたちの集中モードが重なって、突然「静かな時間」が現れます。そのようなときは、「すごい♪」という気持ちでそれぞれの担任の先生同士で目を合わせます。
休憩時間に運動場(グラウンド)で子どもをさがすのは大変
支援学級の担任をしていると、休憩時間に子どもに何か伝えなければいけなかったり用事があったりしたときに、子どもが運動場(グラウンド)で遊んでいると、すぐには子ども探し出すことができないので、大変になってしまうことがあります。
急ぎの場合、放送で呼び出せばいいのですが、子どもが遊びに夢中になると放送が聞こえなくて放送をする意味がなくなったり、誰か友達が放送を聞いて子どもに優しく声をかけたとしても「遊びをジャマされた」と思って怒ってトラブルになったりすることもあるので、「放送で呼び出す」ということがむずかしいときがあります。
特に新学期が始まったり新しい環境になったりした場合は、子どもがどこで遊んでいるか予想ができないので見つけることが大変です。
そのため、休憩時間が終わる予鈴のチャイムが鳴ったときが、ほかの子どもたちが教室へ戻っていくタイミングになるので、子どもを見つけるチャンスになります。
図工の作品によって制作にかかる時間の差が激しい
支援学級の担任をしていると、図工の作品によって制作にかかる時間の差が激しいことがよくあります。
図工では、工作や絵画、その他、様々な制作物を作ります。そして、図工で作る物は、基本的に交流学級の子どもたちと同じ内容の作品を作ります。(子どもの実態によっては子どもに合わせた作品に変更します。)
そのときに、普通学級の場合は子どもたち全員の進み具合を見ながら授業をするので、作品の完成までに数日かかることはよくあります。
しかし、支援学級の場合は子どもに付きっきりでサポートをすることができるので、子どものやる気スイッチが入っている場合は一気に作品を完成させることがあります。(途中で止めさせられることに怒る子もいます。)
そのため、子どもがやる気と興味さえあれば、普通学級で数日に分けて作るような作品でも1日で完成してしまうときがあります。
それとは反対に、子どものやる気がなかったり、気持ちが不安定になったり、興味をもたなかったりするときには、普通学級よりも何倍も完成までに時間がかかります。
このように、図工の作品によって、制作にかかる時間の差がとても激しくなってしまいます。図工の授業だけでも、子どもの好き、キライ、得意、不得意を発見できて、子どもに合った支援方法を考えられるようになるので、この作業時間に差があることも良いことではあります。
まとめ:小学校の「支援学級あるある」を知ることで、支援学級がどんなところなのか今までよりもハッキリとイメージできるようになる
今回は、小学校の「支援学級あるある」について紹介しました。
まず、支援学級あるあるを知っていれば、支援学級についてイメージができるようになるので、
- 子どもを支援学級へ入級させようと考えるとき
- 子どもを支援学級へ入級させるとき
- 子どもがイヤがらずに支援学級へ入れるようにするとき
の安心材料として役立つようになるので「支援学級あるある」を今から知っておいて損はありません。
今回紹介した「支援学級あるある」がこちらです。
支援学級あるある
- 学年も学力もバラバラな子どもたちの担任をしていると、参観日のときに苦労する
- 支援学級に在籍する子どもにやさしく接してくれる子は多い。何かトラブルになりそうだとすぐに教えてくれる。そして、感謝する
- 集団行動をイヤがる子どもが、交流学級の行事に意欲的に参加しようとしたことに喜ぶも、いざ、連れていくと数秒でイヤがり「え?!」と戸惑う
- 交流学級の時間割が急に変更されると、対応にこまる
- 子どもとのコミュニケーション能力だけではなく、教師間でのコミュニケーション能力も試される
- 学校それぞれのクラス名のちがいに初めはおどろく。そして、覚えられない
- 保護者・交流学級担任と3人で面談をするときは、いつもとちがう緊張感がある
- 交流学級で給食を食べるときは「にぎやかな環境」に圧倒される
- 宿題の「丸付け」に対して気合いを入れることがない
- 運動会は忙しくてヘトヘトになる
- チョークの減りが、普通学級担任よりもとっても遅い
- いろいろな先生のクラス経営が見られる
- 週案通りにいったら奇跡
- 体育の授業のあとは大変
- 名前がわからないけれど見たことある子が増える
- 通常学級の子が時間割を見て「何コレ?」と言う
- 教室が広く使えていろいろ置ける
- 給食の時間は日によって、にぎやかさが変わる
- 掃除時間に見失うと、見つけるのが大変
- 学校の隅々までわかる
- いつも帰るときは忘れ物がないか「声かけ」「確認」は必須
- 訓練系はしっかりと伝える
- 廊下を通る人影が見えると、たまに授業が中断する
- はじめて学習する内容の国語の音読は他の子も聞き入る
- 金曜日の下校には気をつかう
- 急に静かになると先生同士で目を合わせる
- 休憩時間に運動場(グラウンド)で子どもをさがすのは大変
- 図工の作品によって制作にかかる時間の差が激しい
これが小学校の「支援学級あるある」です。
上記の小学校の「支援学級あるある」を知ることで、支援学級がどんなところなのか今までよりもハッキリとイメージできるようになります。
今回の記事が少しでも参考になれば嬉しいです。最後まで読んで頂きありがとうございました。
紹介した記事リスト
-
ADHDやグレーゾーンの子どもに個別療育を受けさせるなら1番に考えるべきはリタリコジュニア。しかし、知らなきゃ後悔するデメリットあり!
続きを見る
-
【どっちも担任経験あり!】普通学級と支援学級で迷ったときの解決法。ADHDやグレーゾーンの子どもの親必見!
続きを見る
-
【成長速度が違う!】ADHDの小学生が授業でみんなについていけるようになる習い事5選!
続きを見る