- 放課後等デイサービスで働いているけれど、スムーズに工作活動ができない…。
- 子どもに工作をさせるときに気をつけることが知りたい…。
- 放課後等デイサービスや児童発達支援で働きたいけれど、工作活動ってどんなことをするのかな…。
- 工作活動がうまくできるか心配…。
今回はこのような悩みや疑問を解決します。
さっそく結論
放課後等デイサービスや児童発達支援で実施する工作活動がうまくできるようになれば、
子どもから好かれる
子どもの笑顔が見られる
スムーズに仕事ができる
職場で尊敬される存在になれる
工作を子どもにさせるときの注意点についてさっそく知りたい方はこちら。
私は放課後等デイサービス(児童発達支援も同時運営)で2年以上働いていました。
本記事の執筆者情報
私は子どもにかかわる仕事を10年以上経験してきました。
- 元放課後等デイサービス・児童発達支援勤務(未就学児から小学生までの発達障害の子どもの支援業務を2年以上経験)
- 元小学校教師(通常学級担任、特別支援学級担任をそれぞれ2年以上経験)
- 心理大学卒業のメンタルケア心理士(心理士資格取得のために発達障害の診断基準であるDSM-5を精神医科学基礎で学習。試験では満点。)
私が放課後等デイサービス(放デイ)で働きはじめたときに困ったことが、子どもに工作をさせることです。
「今日は○○を作ろう♪」
と子どもに声をかけても、
「えー。イヤだ。」
「やりたくなーい。」
と言われて、
と困ったり、工作活動に子どもが参加しても、
「できなーい。」
「どうしたらいいのー?」
「はやく教えて!」
「うまく作れなーい。」
「もうやりたくない!」
など、楽しそうに作ってくれなくて、
と困ったりしていました。
ほかにも、予定よりも制作に時間がかかって、
など、子どもに工作をさせるときはいつも困ったり悩んだりしていました。
工作や制作活動が上手くできずに自信をなくして「放課後等デイサービスをやめたい」と考える人もいます。
私は、どうすれば子どもたちが楽しく工作をしてくれるのか考えながら毎回のように失敗をくり返すことで、気付けば工作の活動がスムーズにできるようになっていました。
すきま時間にちょっとした工作活動を取り入れたり、1日がかりでするような制作プログラムも自信をもって取り組んだりできるようになることで、子どもたちからは「楽しい♪」と笑顔で言ってもらったり、同僚からも「さすがだなぁ。」と尊敬されたりするようになりました。
私が工作活動をスムーズにできるようになったきっかけが、子どもに工作をさせるときは「注意点」があることに気づいたからです。
そこで今回は、放課後等デイサービスで工作活動をするなら意識するべき9コの注意点について紹介します。
今回の記事を読むことで、
- 放課後等デイサービスで働くときに子どもたちへ実施する「工作」がスムーズにできるようになる
さらに、工作活動や制作プログラムが上手くできるようになることで、子どもたちや職場のスタッフから信頼されて仕事が楽しくなります。
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目次
放課後等デイサービスや児童発達支援に工作活動は必要?
放課後等デイサービスは、発達に障害を持っていたり同年代の子どもよりも成長に遅れがあったりする子どもたちが利用する場所です。そして、放課後等デイサービスでは「工作」を、活動プログラム(療育プログラム)で実施したり、遊びの中で実施したりすることがよくあります。
放課後等デイサービスで実施する「工作」の目的はこちらです。
- 手先の訓練
- 作り方の指示を聞けるようになる
- 目標に向かって努力できるようにする
- 集団の中で話が聞けるようにする
- 集団行動ができるようにする
- 友達と協力できるようにする
- 遊び時間を充実させる
- etc.
上記のように、工作活動には放課後等デイサービスを利用する子どもたちにとって、実施するメリットがたくさんあります。そして、この工作活動を通して、
- 自分の力で頑張って何かを作り出す
- あきらめずに努力する
などの、子どもが将来、自立できるきっかけになることを目的として工作活動を放課後等デイサービスでは取り入れています。そのため、放課後等デイサービスの子どもたちにとって工作(制作)活動は必要なことです。
放課後等デイサービスや児童発達支援で工作をするなら注意すべきこと9選
放課後等デイサービス(児童発達支援)で工作の活動をするなら注意すべきこと9選がこちらです。
工作の注意点
みんなが作れる物を考える
放課後等デイサービスで工作の活動をするときに注意することは、みんなが作れる物を考えることです。
工作の活動をするときは、制作プログラムとして全体で実施することもあれば、個別で工作をするときもあります。制作活動プログラムを集団で実施するときは、みんなが楽しめるようにレベルを合わせて実施しなければいけません。
たとえば、
年齢が低い子に工作内容を合わせて実施する。そして、年齢が高い子やもっとできる子だけ難易度を上げて、活動内容を充実させる。
個別で工作をするときは、ほかの子が工作をしている子どもを見て、
「ぼくもやりたい。」
「私も作りたい♪」
となって、「作りたい」と思う子がどんどん増えるときがあります。このようなときに、1対1で教えるからこそ作れるようなむずかしい内容の工作をしていると、
「できない!できない!作れない!」
と怒りだす子どもが出てくるので注意が必要です。さらに、たくさんの子どもが作り始めると、ほかのスタッフにも協力してもらわなければいけなくなるので、現場がバタバタしてしまう可能性があるので注意しましょう。
利用時間内で作れる物にする
放課後等デイサービスで工作の活動をするときに注意することは、子どもたちが放デイを利用する時間内で作れるような制作物にすることです。
放課後等デイサービスを利用する子どもたちは、放デイに来る時間も帰る時間も子どもによってそれぞれちがいます。さらに、学習支援や療育をする時間なども子どもによってバラバラなので、工作ができる時間も子どもによって変わります。そのため、時間管理をしたり作業内容を変えたり子どもに合った支援をしたりして、利用日(1日)で制作物が完成できるようにしましょう。
注意
時間が無くて制作物が完成できずに、
「まだ作りたい!」
「できなかった!楽しくない!」
と怒ったり、
「もうイヤ!」
と言って、せっかく作っていた物を子どもが感情的になって壊してしまわないように、利用時間内に完成できるような制作内容をいつも考えるようにしましょう。
作業工程をわかりやすくする
放課後等デイサービスで工作の活動をするときに注意することは、作業工程をわかりやすくすることです。
子どもと1対1で物作りをするときは、子どもは「作り方の説明」をしっかりと聞くことができるので、スムーズに工作をすることができます。しかし、集団で工作をするときや、まわりで遊んでいる子どもたちがいる中で工作をするときなどは、ガチャガチャとした騒がしい環境のせいで子どもが集中して作れないことがあります。
そのようなことを防ぐためにも、子どもたちがサクサクと作れるように作業工程をわかりやすく説明してあげることがたいせつです。
- みんなが見える場所に大きな作成手順を書く(ホワイトボード)
- 1人ひとりに手順表をわたす
- みんなの制作スピードを合わせる
- 見本を作っている動画を見せる
上記のように、子どもたちが「作業工程」をわかりやすく理解できるように工夫することがたいせつです。
ケガやトラブルを防ぐ
放課後等デイサービスで工作の活動をするときに注意することは、ケガやトラブルを防ぐためにも事前のチェックをすることです。
放課後等デイサービスを利用する子どもたちは、自分の気持ちを優先にして行動することが多く、まわりの状況を判断しながら行動することが苦手です。また、相手に合わせることや、相手の気持ちを理解することなども苦手なので、ちょっとしたことでケガやトラブルが起きてしまいます。そして、このケガやトラブルが起きやすいのも工作の活動です。
好き勝手に作ろうとしてハサミやカッターなどでケガをする
無理やり形を変えようとしたり物を取ろうとしたりしてケガをする
友達がつかっている道具を強引に取ってトラブルになる
友達の作品をバカにしてケンカになる
など、いろいろなことがきっかけでケガやトラブルに繋がってしまいます。そうならないためにも、事前に、使う道具の危険性や、スタッフの人数、子どもの人数などをチェックするようにしましょう。
子ども1人ひとりの支援を考える
放課後等デイサービスで工作の活動をするときに注意することは、子ども1人ひとりの支援を考えることです。
放課後等デイサービスを利用する子どもは1人ひとり特性がちがいます。そのため、支援の方法もその子にあった支援方法を考えなければいけません。
すぐに集中が切れる子
全体指導が聞き取りにくい子
手先が不器用な子
自分勝手に作ろうとする子
すぐに怒りだす子
それぞれの子どもの特徴を思い浮かべて、1人ひとりの個性に合わせた支援方法を考えて工作の活動を実施するようにしましょう。
見本を作る
放課後等デイサービスで工作の活動をするときに注意することは、見本を作ることです。
「さぁ!今日は工作をするよー♪」
この声かけでは、
「やりたくなーい。」
「おもちゃで遊びたーい。」
「めんどくさーい。」
などと子どもが言うきっかけになります。工作の活動をするときに大事なことは、子どもが、
「作りたい!」
と思えるようにすることです。そのためには、見本が必要です。
見本を用意して、
「さぁ!今日は工作をするよー♪」
ではなく、
と実物(見本)を子どもに見せることで、子どもは、どんな物を作るのかパッと見てイメージができるようになるので、
「作りたい!」
「楽しそう♪」
と思って意欲的に工作(制作活動)に取り組んでくれるようになります。そのため、見本はしっかりと作るようにしましょう。
スタッフで打ち合わせをする
放課後等デイサービスで工作の活動をするときに注意することは、スタッフで打ち合わせをすることです。
スタッフとの打ち合わせは、個別で制作活動をするときはあまり必要ないですが、全体で工作をするときは必要です。とくに複数人の子どもたちに工作をさせるときは、
作り方がわからずに困っている子
うまく作れなくて怒る子
勝手に人の物をとってトラブルを起こす子
制作活動に参加しようとしない子
など、いろいろな子どもがいるので、制作活動をスムーズに進めたり楽しんで作ったりできるようにするためにも、スタッフで協力して子どもの支援や対応をするようにしましょう。
私がメインで工作活動をするときは、
- 制作手順の具体的な説明
- 子どもへの配慮事項
- マンツーマンで支援して欲しい子どもの担当決め
- 時間配分
- 制作スピードが遅い子への支援方法
などを事前にスタッフへ伝えて、スムーズに工作の活動が進められるように対策をしていました。
作った物の管理をする
放課後等デイサービスで工作の活動をするときに注意することは、作った物の管理をすることです。
子どもたちは工作の活動に楽しんで参加してくれます。しかし、工作で作った物でずっと遊ぶ子もいれば、ちょっと遊んで、そのあとは別のおもちゃで遊び出す子もいます。
このようなときに、作った物をしっかりと管理していないとせっかく作った物を忘れて帰ることがあります。そうなってしまうと、せっかく作った物がムダになってしまったり、忘れたことで自宅に届けなければいけなくなったり、保護者に作った物を見せることができなくなったりしてしまいます。
そうならないためにも、工作で子どもが作った物をしっかりと自分で管理できるように、
作ったあとは鞄に入れる
帰りの送迎のときに渡す
などの対策をすることが必要です。
持ち帰り方法を考える
放課後等デイサービスで工作の活動をするときに注意することは、持ち帰り方法を考えることです。
「今日の放課後等デイサービスでは、こんなことをしてきたのね♪」
と保護者に思ってもらうためにも、工作で作った物はしっかりと保護者に見せることがたいせつです。また、
「こんなの作ったよ♪」
と子どもの嬉しそうな顔を見ることで保護者は、
「今日も(放デイに)預けてよかった。」
と安心することができるようになります。そのためにも、制作物をしっかりと保護者に見てもらえるように「工作で作った物の持ち帰り方法」もしっかりと考えるようにしましょう。
注意
工作で作った物を子どもに手で持ち帰らせると、子どもが送迎の車の中で遊んで壊してしまったら、
- 保護者には見せられない
- 子どもは悲しい顔をする
ので対応が大変になります。そうならないためにも、持ち帰り方法の対策をしっかりとするようにしましょう。
放課後等デイサービスや児童発達支援の工作活動を実施したときの失敗談
- 時間切れ
- 完成できない子が出現
- 片づけが大変
- のりでベタベタ
- 作ったことがあるから参加しない
時間切れ
子どもたちが意欲的に楽しく工作活動へ参加できるように、「今日はこんな楽しい物を作るよ!」と子どもの興味を惹きつけられるように導入に対して力を入れました。さらに、子どもたちがスムーズに活動へ参加できるように丁寧に作り方の説明をしました。
導入をしっかりとすることで子どもたちはこれからの活動に意欲をもってくれました。そして、作り方も理解してくれました。しかし、その結果、導入に時間をたくさん使ってしまいました。
そうすることで、手先が器用な子どもや年齢が上の子どもは完成させることができたけれど、不器用な子や幼児や低学年の子どもは時間が足りずに完成させることができなくなってしまったことがありました。
完成できない子が出現
ルール説明をしっかりとすることで、子どもたちも作り方は理解してほとんどの子どもが完成させることができて満足してくれました。しかし、1人の子どもが上手く作れずに、何度説明しても、
「わからない!」
「できない!」
と言うだけで作ろうとせず、完成させることができなかったことがありました。そして、みんなが完成した工作物で楽しく遊んでいる姿を見て、自分が遊べないことに怒って暴れだしてしまいました。
片づけが大変
子どもたちが満足してくれるように工作物が華やかになるように色々な物を用意して活動を実施しました。その結果、子どもたちは満足してくれましたが、準備物が多くあったことで片付けにとても時間がかかってしまいました。そして、完成した作品で遊ぶ時間がほとんどなくなってしまいました。
のりでベタベタ
糊を使った工作活動を実施したときに、子どもたちは意欲的に活動へ参加して楽しく作ってくれましたが、のりが机の上や他の物に張り付いてベタベタになってしまいました。
さらに、しっかりと片付けができていなくて、工作活動が終わったあとの机で宿題をした子どもの宿題プリントにのりがくっついて破れてしまうといった大きなトラブルに発展してしまったことがありました。
作ったことがあるから参加しない
工作活動プログラムを実施したときに、すでに他の場所で作ったことがある子どもがいました。そして、その子どもが、
「知ってる!」
「もう作ったことある!」
などと言って工作活動に参加してくれないことがありました。
その子をなんとかして活動に参加してもらえるように、サポート役で入ってくれたスタッフが対応することになってスムーズに進行させることができなくなってしまったことがありました。
まとめ:工作をするときに「9コの注意点」を意識することで、放課後等デイサービスや児童発達支援での制作活動がスムーズにできるようになる
今回は、放課後等デイサービス(児童発達支援)で工作をするなら注意すべきこと9選について紹介しました。
放課後等デイサービスの工作活動は、子どもたちが、将来、自立できるきっかけになることを目的に実施しています。そのため、放課後等デイサービスの子どもたちにとって工作(制作)活動は必要なことです。
そして、スムーズに工作活動をするためには注意しなければいけないことがあります。その注意点がこちらです。
工作の注意点
この9コの「注意点」を意識することで、放課後等デイサービスや児童発達支援で実施する工作活動がうまくできるようになります。
さらに、子どもが楽しく制作活動に参加したりスムーズに工作活動ができたりするようになります。そして、あなたは職場で尊敬される必要な存在になることができます。
今回の記事が少しでも参考になればうれしいです。最後まで読んで頂きありがとうございました。
参考
制作の活動プログラムについて知りたい方はこちらの記事が参考になります。
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